キーセン(妓生)(読み)キーセン(英語表記)Ki saeng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キーセン(妓生)
キーセン
Ki saeng

歌舞,文芸に長じた朝鮮の芸妓の総称。宮中に属した妓生妓という。官妓は高麗の八関燃灯会に女楽を加えたのが始りといわれる。その女楽をのちに唱妓戯といい,李朝では官妓といった。その源流は,新羅の花郎の源花 (ウオンファ) や百済の流民水尺 (スチョク) であるともいうが定かでない。李朝の官妓は医術と楽芸の異なった2つの役目をもっていたが,のちに医術の役目は解かれて楽芸に専従するようになり,酒席や宴席で詩を吟じ,歌舞をもって客をもてなした。また儒生や両班 (ヤンバン。特権階級) の相手をつとめるために,歌舞や詩,絵画,行儀などの教養を積んだ。官妓の曲には関東妓の『唱関東別曲』,平壌妓の『唱竜御天歌』など,地方ごとの特色がある。かつて官妓の養成所があった。巷間の妓生は通俗的な芸妓。

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百科事典マイペディアの解説

キーセン(妓生)【キーセン】

朝鮮で高麗以降,官婢として雑歌,歌曲,パンソリなどの歌舞を売った芸妓。妓生の職は〈奴婢随母法〉により母から娘へと継承されたが,巫家系の女性や反逆罪人の婦女子,良家から売られた娘などが妓生に転ずる場合もあった。妓生の中には秀れた時調を残した黄真伊や,文禄・慶長の役のとき日本の武将をまきぞえに投身した義妓・論介など,歴史に名を残す者たちもいる。なお,現代の韓国で観光客などを相手とする接客業の女性をキーセンと呼ぶこともある。

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