グローバル化(読み)グローバルカ(英語表記)globalization

翻訳|globalization

デジタル大辞泉 「グローバル化」の意味・読み・例文・類語

グローバル‐か〔‐クワ〕【グローバル化】

グローバリゼーション

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「グローバル化」の解説

グローバル化

これまで存在した国家、地域などタテ割りの境界を超え、地球が1つの単位になる変動の趨勢(すうせい)や過程。グローブ(globe)とは、球体としての地球の意味。1970年代、地球環境が人類的課題だという意識が生まれたことなどから広く使われるようになった。冷戦期には、東西分断を超える人類的視点をグローバルと呼び、世界平和を志向する用語。こうして、国家ではなく人類の視点から、環境破壊、戦争、貧困などの地球的問題に取り組む「グローバルに考えて、ローカルに行動する」という標語も広まった。しかし90年代には、経済のグローバル化が強調された。各国が金融自由化を進め、また旧ソ連圏が崩壊し、情報通信システムの統合が加速した。その結果、巨大企業が世界を市場や投資先として苛烈に競争を展開し、半面、政府は資本への規制力を弱体化させ、短期の資本移動や為替の投機的取引に対する統治能力が弱まった。また地球の1カ所の経済破綻が、通貨危機や世界同時不況として波及する事態が相次いだ。さらに、国民経済は構造調整が迫られ、広範な倒産失業が広がった。これら経済のグローバル化は、実質的には米国の経済的優位に重なることが多い。その中で、グローバル化は資本の支配貫徹であり、貧富の差を拡大し、環境と固有文化を破壊するという反グローバリズム主張が力を増している。こうして、むしろマイナスの価値を示す言葉としてグローバル化が語られることも多くなり、言葉の二面性が強まっている。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグローバル化の言及

【グローバリゼーション】より

…しかし,南北問題や,東西冷戦という二項対立的世界空間の解体,さらには国民国家を基盤とする近代世界秩序の動揺は,現代という時代の大きな転換をもたらした,と認識されるようになった。そうした転換のキーワードとして,さまざまな分野において〈グローバリゼーション〉〈グローバル化〉という造語が広く使われている。
[語義と背景]
 球形や地球を意味する〈グローブglobe〉,その形容詞形である〈グローバルglobal〉が古くから用いられてきたのに対して,〈グローバリゼーション〉が辞書の項目に登場したのは1960年代以降のことである。…

※「グローバル化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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