日本大百科全書(ニッポニカ) 「コインブラ大学」の意味・わかりやすい解説
コインブラ大学
こいんぶらだいがく
Universidade de Coimbra
ヨーロッパでもっとも古く設立された大学の一つで、ポルトガル最古の伝統を誇る国立大学。1290年リスボンで教皇ニコラウス4世の認可のもとに、ディニス王により創設された。当初は宣教師養成を目的としたが、のち学芸、市民法、教会法、医学を教授するようになった。大学の自治権が認められていたが、学生の自治権乱用により1308年閉鎖された。その後、リスボンとコインブラの間を往復して設置・廃止を繰り返したあげく、1537年最終的にコインブラに定着し、1772年再編され、1911年リスボン大学創設に至るまでの400年間、ポルトガル唯一の大学として発展した。現在は、教育・大学省の所管のもとに運営され、人文学、理工学、医学、薬学、法学、経済学、心理・教育学、スポーツ科学・体育学の8学部と、言語学、数学、情報科学、神経科学・細胞生物学、金融財政学、海洋学、高エネルギー物理学などの研究所を付設している。2000年現在、教員数約1650人、学生数約2万1240人。
[喜多村和之・杉谷祐美子]