翻訳|common sense
アメリカを独立に踏み切らせるのに大きな役割を果たしたT.ペインのパンフレット。1776年1月フィラデルフィアで刊行され,世襲君主制の否定とイギリス本国からの独立を当然の常識common senseであると直截簡明に訴え,3ヵ月で12万冊売れたという。1775年4月より本国と植民地間とでは武力衝突が行われ,アメリカ人の間で独立への気運は醸成されつつあったが,イギリス国王に対する忠誠心,イギリス人であることの意識のゆえに,独立に踏み切れずにいた。そのもやもやをペインは,難解な法律論ではなく,通常の人々にわかる平明な言葉でみごとに断ち切ったというべきであろう。《コモン・センス》は,彼の《人間の権利》(1791-92)とともにフランス革命にも大きな影響を与え,さらに植民地解放の書として,ラテン・アメリカ諸国の独立に寄与した。
執筆者:斎藤 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…とともに,戦争が長引くにつれ,植民地人の間で本国への反感が強まり,独立への気運が増大してくる。その気運を一挙にすすめたのが,独立を当然のこととして説いた76年1月のトマス・ペインの《コモン・センス》であった。大陸会議も76年5月各植民地に新政府設立を勧告し,バージニアなど新憲法を制定し始めた。…
…アメリカ独立革命を促進した啓蒙的文筆家。コルセット職人の子としてイギリスに生まれ,各種の職についたがいずれも成功せず,1774年アメリカへ移住,76年1月小冊子《コモン・センス》を刊行,イギリス領アメリカ諸植民地の独立を訴え,アメリカの人心に多大な影響を与えた。その後植民地軍に従軍,《危機》と題する小冊子(全16編)を次々に刊行して,兵士の士気の鼓舞に努める。…
※「コモンセンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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