コモンセンス(英語表記)common sense

翻訳|common sense

デジタル大辞泉 「コモンセンス」の意味・読み・例文・類語

コモン‐センス(common sense)

常識良識
[補説]書名別項。→コモンセンス
[類語]常識通念良識思慮分別ふんべつ知識教養心得こころえ

コモンセンス【Common Sense】[書名]

《常識の意》英国の思想家トマス=ペイン1776年に米国フィラデルフィアで刊行した啓蒙書。独立への世論を高め、米国独立革命成功に貢献した。

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精選版 日本国語大辞典 「コモンセンス」の意味・読み・例文・類語

コモン‐センス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] common sense ) 常識。
    1. [初出の実例]「所謂常識(コンモンセンス)を備へて平生の心掛け迂闊ならざれば世を渡ること甚だ易し」(出典福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉三九)

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改訂新版 世界大百科事典 「コモンセンス」の意味・わかりやすい解説

コモン・センス
Common Sense

アメリカを独立に踏み切らせるのに大きな役割を果たしたT.ペインパンフレット。1776年1月フィラデルフィアで刊行され,世襲君主制の否定とイギリス本国からの独立を当然の常識common senseであると直截簡明に訴え,3ヵ月で12万冊売れたという。1775年4月より本国と植民地間とでは武力衝突が行われ,アメリカ人の間で独立への気運は醸成されつつあったが,イギリス国王に対する忠誠心,イギリス人であることの意識のゆえに,独立に踏み切れずにいた。そのもやもやをペインは,難解な法律論ではなく,通常の人々にわかる平明な言葉でみごとに断ち切ったというべきであろう。《コモンセンス》は,彼の《人間の権利》(1791-92)とともにフランス革命にも大きな影響を与え,さらに植民地解放の書として,ラテン・アメリカ諸国の独立に寄与した。
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世界大百科事典(旧版)内のコモンセンスの言及

【アメリカ独立革命】より

…とともに,戦争が長引くにつれ,植民地人の間で本国への反感が強まり,独立への気運が増大してくる。その気運を一挙にすすめたのが,独立を当然のこととして説いた76年1月のトマス・ペインの《コモン・センス》であった。大陸会議も76年5月各植民地に新政府設立を勧告し,バージニアなど新憲法を制定し始めた。…

【ペイン】より

…アメリカ独立革命を促進した啓蒙的文筆家。コルセット職人の子としてイギリスに生まれ,各種の職についたがいずれも成功せず,1774年アメリカへ移住,76年1月小冊子《コモン・センス》を刊行,イギリス領アメリカ諸植民地の独立を訴え,アメリカの人心に多大な影響を与えた。その後植民地軍に従軍,《危機》と題する小冊子(全16編)を次々に刊行して,兵士の士気の鼓舞に努める。…

※「コモンセンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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