コリマ(英語表記)Kolyma

デジタル大辞泉 「コリマ」の意味・読み・例文・類語

コリマ(Colima)

メキシコ南西部、コリマ州都市。同州の州都。活発な噴火活動で知られるコリマ山の南西麓に位置する。19世紀末建造の新古典主義様式のコリマ大聖堂や市庁舎など、植民地時代の建造物が残る。周辺は農業地帯が広がり、綿花サトウキビタバコを産する。

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改訂新版 世界大百科事典 「コリマ」の意味・わかりやすい解説

コリマ
Kolyma

ロシア連邦,シベリア北東部のコリマ川沿岸平野の名。また同地にある強制収容所群の総称。この地の収容所は1932年に一般囚人用に造られ始めたが,37年より大量テロルの犠牲者を送り込む代表的な収容所となった。囚人たちはウラジオストクから囚人船でオホーツク海を運ばれ,マガダンに上陸させられ,さらに内陸のこの地域へ送られた。-60℃の酷寒の地で,ときに13~16時間も続く金鉱や木材伐採場での労働は過酷なものであった。38年には収容所側の命令で4万人以上の囚人が銃殺された(その責任者ガラーニンは翌年銃殺されている)。この収容所の生活についてはこの地で18年間を過ごしたギンズブルグEvgeniya Semyonovna Ginzburg(1906-77)の回想《けわしい行路》(1967。邦訳《明るい夜 暗い昼》)が貴重な証言を残している。
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コリマ
Colima

メキシコ西部,太平洋岸の同名州の州都。大都市域人口22万6495(2003)。標高494m。コリマ山とエル・ネバド山の雄姿を望む。同州の太平洋岸地域は,灌漑が整備され,ヤシレモン,バナナ,サトウキビ等の熱帯農産物の主要な農業地域で,同市はその中核都市。食品加工業が重要な製造業部門。コリマ・インディオの古代王国の都であったが,1522年,フエゴ火山南麓の現在地に植民都市として建設された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コリマ」の意味・わかりやすい解説

コリマ
Colima

メキシコ南西部,コリマ州の州都。グアダラハラの南南西約 170km,西マドレ山脈の南の延長をなす山地中の盆地にあり,アルメリア川支流コリマ川にのぞむ。標高約 470m。 1522年に建設された古い町であるが,交通の便がきわめて悪い土地にあったため,メキシコ史上重要な役割を果すことはなかった。現在は首都をはじめとする内陸諸都市,および太平洋岸の港マンサニヨと鉄道,道路で結ばれている。周辺の農業地帯の中心地で,綿花,米,トウモロコシなどを集散,加工するほか,食塩精製,蒸留酒,製靴,皮革などの工業が立地する。コリマ大学 (1867) 所在地。人口 11万 6155 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コリマ」の意味・わかりやすい解説

コリマ
こりま
Colima

メキシコ南西部、コリマ州の州都。コリマ火山の南、標高458メートルのコリマ盆地に位置する。人口11万9639(2000)。スペイン統治以前はインディオのコリマン王国の領地で、1922年サンドバルによって征服された。周辺は熱帯農業地域で、サトウキビ、綿花、タバコの栽培が盛んである。1941年コリマ火山の爆発で多数の死者を出した。

[高木秀樹]

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