さいかち【
莢】
- 〘 名詞 〙
- ① マメ科の落葉高木。本州中部以西の山野・川辺などに生え、庭園に植えたり街路樹にする。高さ一〇メートルに達する幹や太い枝には枝の変形した分枝した刺(とげ)が多い。葉は長さ約三〇センチメートルの一~二回偶数羽状複葉、小葉は多数で、各小葉はややゆがんだ卵状長楕円形で長さ二~五センチメートル。雌雄同株。夏、葉間から花茎をのばし小さな黄緑色の四弁花を狭円錐状に集めてつける。果実は長さ二〇~三〇センチメートルのゆがんだ莢(さや)で、扁平な種子を含み、熟すと暗紫褐色となる。果実の煎汁(せんじゅう)を古くは染剤にし、漢方ではシナノサイカチの代用として利尿・袪痰(きょたん)薬に使う。材は器具・薪炭用。
莢(そうきょう)は同種のシナノサイカチの漢名。かわらふじのき。さいかし。さいかいし。《 季語・秋 》
▼さいかちの花《 季語・夏 》 〔康頼本草(1379‐91頃)〕
- ② 「さいかちむし(莢虫)」の略。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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さいかち
[学] Gleditsia japonica Miq.
マメ科(APG分類:マメ科)の落葉高木。高さ15メートルに達する。幹や枝に小枝が変形した太い分枝刺が多数ある。葉は偶数羽状複葉で束生するが、若い長枝につくものは2回羽状複葉で互生する。小葉は多数、ゆがんだ卵状長楕円(ちょうだえん)形で、長さ1.5~3センチメートル。夏、新葉をつけた短枝に長さ10~15センチメートルの総状花序をつけ、淡黄緑色の小さな4弁花を開く。雄花と両性花があり、雄しべ8本、雌しべ1本。豆果は広線形、長さ20~30センチメートル、扁平(へんぺい)でややねじれてゆがみ、褐色に熟す。山野や河原に生え、本州から九州に分布する。また庭園樹や街路樹とする。名は、古名の西海子(さいかいし)からの転訛(てんか)といわれる。中国名の皁莢(そうきょう)は、厳密には中国のシナサイカチ(トウサイカチ)G. sinensis Lam.であって、サイカチにあてるのは正しくない。シナサイカチは花に長柄があり、豆果がねじれない。漢方ではこれらの豆果や刺(とげ)を去痰(きょたん)などに用いる。
[立石庸一 2019年10月18日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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Japanese honey locust
Gleditsia japonica Miq.
河原など水辺の原野に多いマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。和名は漢方薬名の皁角子(そうかくし)から転じたという。高さ15m,胸高直径2mに達し,幹には枝の変化した大型のとげがある。葉は羽状複葉で,12~24枚の偶数個の小葉をつける。小葉は楕円形,無毛,長さ1.5~4cm,幅8~15mm。6月ころ,長さ6~10cmの総状花序を伸ばし,小型の単性花と両性花とを密につける。花は放射相称,花弁は黄緑色で楕円形,長さ約4mm,おしべは8本で花弁よりも長く,長さ約6mm。果実は扁平で広線形,長さ20~30cm,無毛,熟して黒色となり,ねじれている豆果で,種子を10~25個入れる。本州,四国,九州に分布する。果実は漢方で去痰薬とし,果皮(萊(さや))はサポニンを含有し,セッケンの代用とした。材は建築用,家具用,道具などに用いられる。
執筆者:大橋 広好
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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Gleditsia japonica; Japanese honey locust
マメ科の落葉高木。東アジアの温暖帯に分布する。日本では本州から四国,九州の山野や川原などに自生するが,人家の庭に栽植されることもある。幹や枝には短枝が変形したとげが多い。葉は1~2回に分れた偶数羽状複葉で,長さ 20~30cmになり,小葉は長楕円形をなし縁に細かい鋸歯をもつ。雌雄同株で,花は5~6月頃に咲く。雄花は1ヵ所に数個固まってつき雌花よりも小さい。蝶形花ではなく,マメ科には珍しい4数性の花である。雌雄花とも花弁は4枚で黄緑色,雄花には8本のおしべがある。種子はねじれた莢の中に生じる。莢にはサポニンを含むので古くは石鹸のように用いられた。とげや種子は解毒剤としてはれものや瘡毒に用いる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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カワラフジノキとも。本州〜九州,東アジアの山野,川原などにはえるマメ科の落葉高木。葉は1〜2回偶数羽状複葉で,長楕円形の小葉が多数つく。雄花,雌花,両性花が1株につき,5〜6月,総状花序に4弁の淡黄色花を開く。花は長さ約4mm。果実はねじれた広線形で長さ約30cm。さやは薬用とし,かつてセッケンの代用ともした。若葉は食用,材は建材,器具,樹は庭木とする。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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