ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンドウィッチ」の意味・わかりやすい解説
サンドウィッチ(伯)
サンドウィッチ[はく]
Sandwich, John Montagu, 4th earl of
[没]1792.4.30. ロンドン
アメリカ独立戦争時のイギリスの海軍大臣。軽食のサンドウィッチの名の由来とされる。祖父の 3代サンドウィッチ伯エドワード・モンタギューから 1729年に爵位を継ぎ,イートン校とケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに学び,海外遊学を終えたのち,1739年に貴族院の席を継承。郵政公社総裁(1768~70),北部担当国務大臣(1763~65,1770~71)を歴任。国務大臣在任中の 1763年に急進的な扇動政治家ジョン・ウィルクスの告訴・逮捕の陣頭指揮をとったが,ウィルクスとはかつて友人だったことから,大人気を博したジョン・ゲイ作『乞食オペラ』の登場人物で裏切り者の「ジェミー・トウィッチャー」のあだ名を奉られ揶揄された。海軍大臣も務めたが(1748~51,1771~82),2度目の在任中に,収賄や政治ポストのばらまきのために職権を濫用したと非難された。行政手腕は評価されていたが,アメリカ独立戦争に際しては,フランスから攻撃を受ける可能性を考慮してイギリス艦隊の多くをヨーロッパの海域にとどめることを主張し,海軍の軍備が不十分であると手厳しく糾弾された。海軍問題への関心が深く太平洋探検の熱心な擁護者だった伯爵にちなみ,イギリスの探検家ジェームズ・クックは 1778年に今日のハワイ諸島に上陸した際,それをサンドウィッチ諸島と名づけた。1799年著書 "Voyage Round the Mediterranean"を刊行。私生活では賭博三昧の日々を送り,食事をする間も惜しんで賭博台から離れなかったといわれ,ゲームをしながら食したとされる軽食が 1762年にサンドウィッチと命名された。
サンドウィッチ(伯)
サンドウィッチ[はく]
Sandwich, Edward Montagu, 1st Earl of
[没]1672.5.28. ソールベー沖
イギリス,清教徒革命期の軍人。議会派として挙兵し,1645年ネーズビーの戦いとブリストル急襲で武名を揚げた。同年下院議員になり,48年まで独立派を支持して活躍したのち引退。 53年護国卿政府の国務委員の一人となり,56年 R.ブレークとともに海軍司令官に就任。 59~60年 G.マンクと協力して王政復古に尽力し,艦隊を率いてチャールズ2世をオランダから護衛。 60年功により伯爵に叙せられ,ヨーク公ジェームズ (のちの2世) のもとで海軍副長官。 61年ポルトガル特派大使となり,王とカサリンとの婚儀をととのえ,彼女に従って帰国。 65年第2次イギリス=オランダ戦争に艦隊司令官として従軍。 66年スペイン大使。 72年第3次イギリス=オランダ戦争においてソールベー沖でオランダ艦隊と交戦中に戦死。
サンドウィッチ
sandwich
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