シスチン

デジタル大辞泉 「シスチン」の意味・読み・例文・類語

シスチン(cystine)

たんぱく質を構成するアミノ酸の一。毛・つめ・角などのケラチン多く含まれる。水に溶けにくく、還元されるとシステインになる。

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精選版 日本国語大辞典 「シスチン」の意味・読み・例文・類語

シスチン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cystine ) 硫黄を含むアミノ酸の一つ。多くのたんぱく質の成分で、特に毛・爪・角などに多く含まれる。還元されるとシステインに戻る。

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化学辞典 第2版 「シスチン」の解説

シスチン
シスチン
cystine

dicysteine.C6H12N2O4S2(240.30).含硫α-アミノ酸の一つ.タンパク質構成アミノ酸として,また遊離の形で生物界に広く分布している.ペプチド鎖を架橋して特有の立体構造を保つうえで役立ち,還元されてL-システインとなり生理的に重要な役割を果たしている.毛髪の加水分解液から等電点で析出させて分離する.天然R(L)形は六方晶系,小板状結晶.融点260~261 ℃(分解).-223.4°(1.0 mol L-1 塩酸).pKa1 1.65,pKa2 2.20,pKa3 7.85,pKa4 9.85.栄養的には必須アミノ酸ではないが,医薬品,化粧品として用いられる.[CAS 56-89-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「シスチン」の解説

シスチン【cystine】

アミノ酸一種で、非必須アミノ酸システインの酸化生成物。牛肉鶏肉羊肉牛乳小麦粉さけなどに多く含まれる。イオウと化合した含硫(がんりゅう)アミノ酸で、たんぱく質として特に皮膚の角質層・毛髪・爪に多量に存在する。傷の治癒促進ブドウ糖の代謝に関与するほか、抗酸化作用、イオウを分離して毒素と結合させ解毒する作用、生活習慣病・がんの予防などに効果が期待できる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

栄養・生化学辞典 「シスチン」の解説

シスチン

 C6H12N2O4S2 (mw240.30).

 略号 Cys-Cys.毛髪,爪,コムギアグルチニンなどに多い.可欠アミノ酸の一つ.溶解度は低く,ときに結石の原因物質となる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「シスチン」の意味・わかりやすい解説

シスチン
cystine

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシスチンの言及

【ウォラストン】より

…また,可鍛性のある白金を得る精製法を確立し,光学機器の十字線などに用いられるごく細い白金線(ウォラストン線)を作った。精度の高い反射式ゴニオメーター(測角器)を作り結晶学に貢献,さらに,方解石の直角プリズムを2個はり合わせた偏光プリズム(ウォラストンプリズム)や,2枚のレンズをはり合わせて収差を除いたウォラストンレンズなど数多くの光学機器の改良や発明があり,このほかにも太陽スペクトルの黒線を観測したり,アミノ酸の一種であるシスチンを発見するなど,彼の業績は広範囲にわたっている。【川合 葉子】。…

※「シスチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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