シスチン(英語表記)cystine

翻訳|cystine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シスチン
cystine

硫黄を含むアミノ酸の一種。化学式 (-SCH2CH(NH2)COOH)2 。古くからシスチン尿といわれる代謝機能障害患者の尿結石の主成分として知られているアミノ酸。毛髪や角などに存在する蛋白質ケラチンに特に多量 (10~13%) に含まれているが,一般の蛋白質にも少量は含まれて,いわゆ-S-S-結合の主体をなしている。正六角板状晶。毛髪の酸加水分解によって容易に得られる。水に難溶である。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典の解説

シスチン【cystine】

アミノ酸の一種で、必須アミノ酸システインの酸化生成物。牛肉、鶏肉、羊肉、牛乳、小麦粉、さけなどに多く含まれる。イオウと化合した含硫(がんりゅう)アミノ酸で、たんぱく質として特に皮膚の角質層・毛髪・爪に多量に存在する。傷の治癒の促進やブドウ糖の代謝に関与するほか、抗酸化作用、イオウを分離して毒素と結合させ解毒する作用、生活習慣病・がんの予防などに効果が期待できる。

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大辞林 第三版の解説

シスチン【cystine】

タンパク質を構成するアミノ酸の一。特に、毛髪・角つのなどのケラチンに多く含まれる。容易に還元されて分解し、システインになる。タンパク質の立体構造を保持するのに重要な役割を果たす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シスチン
しすちん
cystine

システインの2分子が酸化されて結合した含硫アミノ酸の一種。立体構造上、互いに対称的なD形とL形があるが、タンパク質中にみいだされるものは、すべてL形である。正六角板状晶で、光学活性をもつ。水に溶けにくく、弱酸や弱アルカリには溶ける。タンパク質構成アミノ酸の一種で、とくに毛髪、爪(つめ)、角(つの)などのケラチンには多量含まれており、酸加水分解液から直接沈殿として分離できる。シスチン尿症(遺伝病)患者の尿中にはシスチンの結晶が含まれる。種々の還元試薬により容易に還元されてシステインとなる性質は、生体内酸化還元の過程で重要な役割を果たしている。高等植物や酵母には、還元型のニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド(NADH)によるシスチンのシステインへの還元系が存在する。ジスルフィド結合(S‐S結合)によってタンパク質のポリペプチド鎖を折り畳んだり連結させて高次構造を保持し、酵素あるいはホルモンの活性にもシスチンが関与していることが多い。[景山 眞・入江伸吉]

栄養

シスチンは必須(ひっす)アミノ酸であるメチオニンの作用をシステインを経て一部代替できるので、栄養上はメチオニン+シスチン量が問題とされる。すなわち、シスチンは広く食品タンパク質に含まれているが、食品やアミノ酸製剤などの栄養効果をアミノ酸組成から検討する場合には、含硫アミノ酸としてメチオニンと同等に扱われている。[宮崎基嘉]

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精選版 日本国語大辞典の解説

シスチン

〘名〙 (cystine) 硫黄を含むアミノ酸の一つ。多くのたんぱく質の成分で、特に毛・爪・角などに多く含まれる。還元されるとシステインに戻る。

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世界大百科事典内のシスチンの言及

【ウォラストン】より

…また,可鍛性のある白金を得る精製法を確立し,光学機器の十字線などに用いられるごく細い白金線(ウォラストン線)を作った。精度の高い反射式ゴニオメーター(測角器)を作り結晶学に貢献,さらに,方解石の直角プリズムを2個はり合わせた偏光プリズム(ウォラストンプリズム)や,2枚のレンズをはり合わせて収差を除いたウォラストンレンズなど数多くの光学機器の改良や発明があり,このほかにも太陽スペクトルの黒線を観測したり,アミノ酸の一種であるシスチンを発見するなど,彼の業績は広範囲にわたっている。【川合 葉子】。…

※「シスチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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