シタン(読み)したん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シタン
したん / 紫檀
[学]Pterocarpus santalinus L. f.

マメ科の落葉小高木。高さ6~8メートル、胸高径30センチメートルに達し、枝に軟毛がある。葉は複葉で互生し、小葉は普通3枚まれに5枚、広楕円(こうだえん)形または広卵形で長さ5~10センチメートル、全縁で先はへこみ、薄い革質で裏面に灰色の毛を密生する。円錐(えんすい)形の総状花序を腋生(えきせい)し、多数の蝶形花(ちょうけいか)を開く。花冠は黄色、赤色の筋(すじ)がある。果実は扁平(へんぺい)な円形の豆果で軟毛があり、周囲に翼、側方に尾状になった先端があり、中に1、2個の種子がある。インド南部、スリランカ原産。辺材は白色、心材は新しいものは鮮紅色であるが、のちに暗紫紅色になり、磨くと波状紋を現して美しい。質は緻密(ちみつ)で堅く、チーク材より約3割重く、2倍の堅さがあり、かすかな香りがある。材は紅木(こうき)または紅木紫檀(したん)と称して珍重され、高級家具や床柱などにする。心材にはサンタリンという色素があり、水で浸出した液は紫外線で蛍光を放ち、以前は色素を染色に用いた。日本に輸入される紫檀材には本種およびシタン属のほかの種類とツルサイカチ属の数種があり、これらが俗に紫檀類(英名ローズウッド)といわれている。このうちマルバシタンDalbergia latifolia Roxb.はインド、ジャワ原産の紫檀類の一種で、ローズウッドの代表的な種類である。落葉大高木で、湿性チーク林に生える。葉は羽状複葉で小葉は3~7枚、広楕円形または倒卵形で先端は鈍角である。心材は暗紫色でバラのような香りがある。[小林義雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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