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シムノン Simenon, Georges

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シムノン
Simenon, Georges

[生]1903.2.13. リエージュ
[没]1989.9.4. ローザンヌ
ベルギー生まれのフランスの小説家。 19歳でパリに出,大衆小説によって文壇に登場し,1931年からの一連の「メグレ Maigret警部シリーズ」をはじめとする推理小説で一躍有名になった。年をとるに従って,小説論『人間の小説』 Le Roman de l'homme (1959) で明らかなように,独特な心理分析の才能を駆使して,仮面の陰に隠された真の人間の姿を暴き出し,人間の運命をあやつっている人間精神の原型ともいうべきものを描き出すようになった。主著『運河の家』 La Maison du Canal (1933) ,『わが判事への手紙』 Lettre à mon juge (1947) ,『雪は汚れていた』 La Neige était sale (1948) ,『ビロードの熊』L'Ours en peluche (1960) ,『ビセートルの輪』 Les Anneaux de Bicêtre (1963) など。

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デジタル大辞泉の解説

シムノン(Georges Simenon)

[1903~1989]フランスの小説家。ベルギーの生まれ。推理小説・心理小説などで幅広く活躍。特に、メグレ警部を主人公とするシリーズは有名。

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百科事典マイペディアの解説

シムノン

ベルギーのフランス語作家。作品はフランスで発表。多作であるが,推理小説では,メグレ警視が主人公として活躍するメグレ物が有名。登場人物の性格化,異常心理の追求,雰囲気描写はきわめて文学的で,ジッドの激賞を受けた。
→関連項目シュナイダー

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世界大百科事典 第2版の解説

シムノン【Georges Simenon】

1903‐89
ベルギーの小説家。作品はフランス語で書かれ,フランスで発表されている。リエージュに生まれ,生活のため書店の店員,次いで新聞記者となったが,1921年よりジョルジュ・シムGeorges Simのペンネームで小説を発表した。処女作はリエージュの町の風俗小説であったが,その後多くの筆名を使い,推理小説,心理小説を書いた。22年居をパリに移し,ヨットを入手してヨーロッパ中を旅行した。旅行中着想を得てメグレ警部を創造し,31年からファイヤール書店とひと月に1冊書く契約を結んだ。

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大辞林 第三版の解説

シムノン【Georges Simenon】

1903~1989) ベルギー出身の小説家。青年時代にフランスに移り、推理小説・心理小説を執筆。メグレ警部シリーズは有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シムノン
しむのん
Georges Simenon
(1903―1989)

ベルギー生まれのフランスの推理作家。推理ものに限らず、心理小説、純文学、大衆文学など、活躍の幅は広い。名探偵メグレMaigret警部の創作者。6歳のころから創作を始め、1922年にパリに移民してからのちも、1日80ページのテンポで、たちまちのうちに300編の長編を書き上げたという驚異的多作家である。31年、メグレ警部が最初に現れた『ロアール館』を発表後、ほぼ1か月に1冊の割合で立て続けに18冊のメグレものを書いた。このなかには、彼の初期の傑作とされる『或(あ)る男の首』(1931。別名『モンパルナスの夜』)も含まれる。その後、作者はメグレものに飽きて、しばらくは他の犯罪小説や心理小説などを書いたが、この間にメグレものが世界的評判を得るに至り、40年代からはふたたびこの執筆を始め、72年までに112編にも達している。
 シムノンの作品は本格推理ではなく、罪と罰や、良心などを中心に据えた心理ものの色が濃いので、彼を犯罪心理小説作家だとする意見も多い。『雪は汚れていた』(1948)はそういった面での佳作の一つである。メグレものは、警察側からの捜査展開を描くことによって、その後発達した警察捜査小説に影響を与えていることも見逃せない。73年ごろから、シムノンは病気を理由にほとんど創作活動を行っていない。[梶 龍雄]
『G・アンリ著、桶谷繁雄訳『シムノンとメグレ警視』(1980・河出書房新社) ▽三輪秀彦訳『雪は汚れていた』(ハヤカワ文庫) ▽長島良三他訳『メグレ警視シリーズ』全50冊(1976~80・河出書房新社)』

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