精選版 日本国語大辞典 「シャルル」の意味・読み・例文・類語
シャルル
シャルル
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バロア家系ブルゴーニュ公家第4代当主。あだ名はル・テメレールle Téméraire(〈向こう見ず〉の意)。父フィリップ公の晩年,フランス王家との関係はしだいに悪化した。1461年ルイ11世の登極が転回点となり,当時シャロレー伯であったシャルルは公家家政の実権者として頭角を現し,反王家路線を打ち出す。67年家督相続の後,72年の内戦に挫折してからは,フランスの内政への関心を捨て,フランスとドイツの間に独立国を建てる方向に決定的に動く。アルザス,ロレーヌ,フリースラントと支配地を広げたところで,ドイツ皇帝に対し王号を要求した。ルイ11世はこれを阻止しようと権謀術数の限りをつくしてシャルル包囲網をつくる。孤立したシャルルは,77年,ロレーヌ公のスイス人傭兵隊とナンシーで戦い敗死した。ここに公家家督を相続した遺児マリアは,フランドル,ネーデルラント諸邦の支持の下に,オーストリア・ハプスブルク家のマクシミリアンと結婚し,公家の北方領国を保全した。
→ブルゴーニュ公国
執筆者:堀越 孝一
フランスの物理学者。パリ工芸技術学校の実験物理学教授。正規の科学教育を受けなかったが,B.フランクリンの電気に関する研究に刺激を受けて科学の道に進んだ。ロベール兄弟(A.J. ロベール,M.N. ロベール)と協力して水素気球を製作,1783年12月1日にはA.J.ロベールとともに乗り組んで,約2時間の飛行実験に成功した。この飛行はモンゴルフィエの熱気球に10日の遅れをとったが,シャルルの気球はゴム引絹布を用い,通気筒,ガス弁,砂袋,いかりなどの制御装置を備えた実用的なもので,高度3000mに達した。気球による飛行はパリ市民の注目を集め,のちに軍事偵察や大気の研究に利用された。87年には,圧力一定のとき気体はその種類によらず温度に比例して膨張すること(シャルルの法則)を発見,これはのちにゲイ・リュサックの精密な実験によって確定された。彼は重要な著作をほとんど残さなかったが,雄弁な講演と優れた演示実験によって人々の好評を博し,95年,アカデミー・デ・シアンス会員に選ばれた。
執筆者:内田 正夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
フランスの実験物理学者.パリで1781年からはじめた実験物理学の講演と演示が評判となり,名を知られるようになった.1795年科学アカデミー会員に選ばれ,工芸学校(Conservatoire des Arts et Métiers)の教授も務めた.1783年にMontgolfier兄弟による熱気球飛行が行われた後,水素を詰めた軽気球を製作し,同年末,自ら飛行した.かれの名は,気体膨脹のシャルルの法則で知られているが,これは,J.L. Gay-Lussac(ゲイ-リュサック)が1802年に発表した論文のなかで,Charlesが1787年ころ,すでに同じ実験を行っていたことに言及したからである.のちにスコットランド人物理学者P.G. Taitがシャルルの法則とよび,この名称が英米圏で誤って定着してしまった.しかし,かれは結果を印刷して発表することをしなかったし,また当時知られていた気体のいくつかには成り立たないとしていた.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ルクセンブルク,リンブルク両公領も彼の代に公家の統制下に入った。さらに最後の当主シャルル(豪胆公)は,その10年間の短い当主期間に,ブルゴーニュ,ブルグントに隣接するエルザス(アルザス),ロートリンゲン(ロレーヌ)の領有をねらい,一時はそれを実現し,また上シュワーベン(スイス)にも食指を動かした。北の方では,ホラントの東,ライン川下流域のヘルレ公領もまた,彼の代に公家支配地となった。…
…しかし彼らは情熱をこめて国王を説得し,そのおかげで人類の航空史の第1ページを汚さずにすんだ。その10日ほど後に,フランスの物理学者J.A.C.シャルルのより実用的な水素ガス入り気球が飛行に成功した。気球は空気より軽いガスを詰めた袋の静浮力を利用するものであるから,原理的にはきわめて簡単で,たちまち世界各国に普及した。…
※「シャルル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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