シュミット望遠鏡(読み)シュミットぼうえんきょう(英語表記)Schmidt telescope

百科事典マイペディアの解説

シュミット望遠鏡【シュミットぼうえんきょう】

球面凹面鏡と特殊な断面をもつ補正板を組み合わせた天体望遠鏡。この光学系を利用した天体写真機をシュミット・カメラという。回転放物面を使った普通の反射望遠鏡ではコマ収差のため視野が極度に狭くなり,口径比もあまり大きくできないが,シュミット望遠鏡ではこの欠点が除かれ広い視野と大きい口径比が得られる。1930年ハンブルク天文台のB.シュミット〔1879-1935〕が考案,以後種々改良が加えられた。一般天体観測に用いる大型のもの(世界最大はドイツのカールシュワルツシルト天文台にある口径134cm)では視野直径10°以上,流星観測用では20°以上50°に達するものがあり,また口径50cm,F/1のものが人工衛星観測用に使われる。

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世界大百科事典 第2版の解説

シュミットぼうえんきょう【シュミット望遠鏡 Schmidt telescope】

B.シュミットが考案した光学系をもつ望遠鏡。この光学系を利用した天体写真儀をシュミットカメラSchmidt cameraという。広写野で明るいことが特徴で,広い天域の掃査的な観測,どこに現れるか限定できないすい星や新星の監視,動きの速いすい星・小惑星・人工衛星などの追跡,さらに広がりをもつすい星・星団・星雲・銀河・銀河団などの撮像などをその役割とする。 対物鏡に回転放物面を使う通常の反射望遠鏡では,球面収差と色収差はないが,非対称性のため位置や明るさの測定に障害の多いコマ収差が生ずる。

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世界大百科事典内のシュミット望遠鏡の言及

【球面鏡】より

… 球面鏡には色収差がまったくないという特徴はあるが,球心に物体を置いた等倍結像系の場合を除き,球面収差をはじめ各種の収差が大きいので単独で用いられることは少ない。しかし凹面鏡を非球面補正板と組み合わせて球面収差とコマ収差を同時に除去したシュミット望遠鏡は明るくかつ広視野の天体望遠鏡として広く用いられており,また反射鏡とレンズ系を組み合わせた反射屈折光学系は,二つの反射鏡の間で光を往復させるためレンズ全長を短くでき,しかも色収差がないため,超望遠レンズに使われることが多い。このほか広い波長域にわたって大きい反射率をもつアルミニウムを表面に蒸着して作られる球面鏡は,ガラスなどの光学材料の光の吸収のため屈折系を使用できない波長域での光学機器として多用されており,例えば凹面鏡に多数の平行線を刻んだ凹面格子は紫外域での分光器などに利用される。…

【シュミット】より

…ドイツの光学器械技術者。シュミットカメラ,あるいはシュミット望遠鏡と呼ばれるコマ収差のない広い視野をもつ光学系を発明した。彼は通信技士,写真技師,設計技師などとして働きながら,天文学と光学について独学して経験を積んだ。…

※「シュミット望遠鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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