ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ショウドウツバメ」の意味・わかりやすい解説
ショウドウツバメ
Riparia riparia; sand martin
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スズメ目ツバメ科の鳥。砂泥質の崖に横穴を掘って巣とするのでこの名がある。ユーラシア,北アメリカ両大陸の温帯から亜寒帯で繁殖し,それぞれの大陸の熱帯から南半球にかけて越冬する。日本では5月上旬ころ渡来,8月中旬~9月中旬に渡去する夏鳥で,北海道で繁殖する。本州以南では春秋に通過するだけの旅鳥だが,9~10月ころ各地の河川,海岸,湖沼などで大小の群れを見る。浜名湖や霞ヶ浦ではツバメとともに少数が越冬し,浜名湖ではねぐらに人家の室内も利用している。生息環境や習性は,営巣の点以外はツバメによく似ている。全長約12cm,上面は暗褐色,下面は白色で胸に褐色の横帯がある。尾は短く浅い燕尾。崖に深さ30~100cm,入口の直径5~10cmの横穴を掘って集団営巣する。卵は白色で,1腹3~5卵を産む。抱卵は約2週間,育雛(いくすう)約3週間ののち巣立つ。チュリ,チュリ,チュリとかわいい声で鳴く。
→ツバメ
執筆者:内田 康夫
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鳥綱スズメ目ツバメ科の鳥。同科ショウドウツバメ属3種中の1種。全長12.5センチメートル。ツバメ、イワツバメより小さい。背面、翼は灰褐色、下面は白色で、胸に灰褐色の帯がある。尾は、外側の羽がツバメ属の燕尾(えんび)ほど長くなく凹尾。ヨーロッパ、アジア、北アメリカに分布し、冬季はアフリカ中部、南アメリカ中部にも現れる。日本では北海道で砂層の崖(がけ)に集団で営巣するが、本州以南では旅鳥。晩夏に本州、九州の海岸、河岸などの広い湿原に群れをなして姿をみせる。飛翔(ひしょう)中の昆虫類を食べる。
[坂根 干]
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