世界大百科事典 第2版 「シリア・カナン神話」の意味・わかりやすい解説 シリアカナンしんわ【シリア・カナン神話】 近年のオリエント考古学は,シリア・カナン地域の神話について,それを生みだしたウガリト社会の研究を中心に,多くの画期的成果を提供している。長い間,砂に埋もれていたこの地域の神話に,最初の光が当てられたのは,たまたま畑を耕していたシリアの農夫の鋤の先からであった。1928年の春のことである。翌年フランス人考古学者による発掘隊が編成され,試掘開始後1ヵ月余で,海岸から1kmほど山手の〈ういきょうの丘(ラス・シャムラ)〉に広がる壮大な遺跡群を掘り当てることに成功したのである。 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報