ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーグバーン」の意味・わかりやすい解説
シーグバーン
Siegbahn, Kai Manne Börji
[没]2007.7.20. エンゲルホルム
スウェーデンの物理学者。X線分光学の開拓者として 1924年にノーベル物理学賞を受賞したカール・M.G.シーグバーンの息子。 1944年ストックホルム大学で博士号を取得したのち,1951年ストックホルム王立工科大学教授に就任,1954年からウプサラ大学物理学部門主任教授。 1950年代から原子核実験における粒子線エネルギー分析器の改良研究を進め,1960年代には光電子のエネルギー分布を高精度で調べる方法を確立し,各元素に特有な原子の電子エネルギー準位の決定を可能にした。この電子分光法は 1970年代には化学分析の手段として世界中で使われるようになり,大気汚染物質や固体触媒の表面状態の分析などにも活用されるようになった。 1981年ニコラス・ブルームバーゲン,アーサー・L.ショーローとともにノーベル物理学賞を受賞。
シーグバーン
Siegbahn, Karl Manne Georg
[没]1978.9.26. ストックホルム
スウェーデンの物理学者。ルント大学に学び,同大学教授 (1920) ,ウプサラ大学教授 (23) ,ストックホルム大学教授 (37) ,スウェーデン王立科学アカデミーが 1937年に創立したノーベル物理学研究所初代所長。国際度量衡委員会委員 (39~64) 。電磁気学の研究からX線分光学に転じ,16年特性X線を調べてM系列を発見した。 21年には真空分光器その他の装置を発明し,X線の波長の精密測定を行なった。 24年にプリズムを用いてX線を屈折させることに成功。 24年ノーベル物理学賞受賞。
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