デジタル大辞泉
「ジグ」の意味・読み・例文・類語
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ジグ
jig
加工を容易にし,量産化と精密化をはかるときに用いる補助工具で,加工部品と工具が整合するようにつくられる。たとえば部品に多数の穴あけをする場合,穴の関係位置が正確な型をつくり,部品に合せてから型の穴部を案内としてドリルで加工すれば個々に穴あけするよりも高い能率と精度が得られる。用途ごとに種々のジグが製作され,おもなものには穴ぐりジグ,リーマ通しジグ,溶接ジグ,組立てジグなどがある。なお,「治具」という用語も使われるが学術的用語ではない。 (→取付け具 )
ジグ
gigue
(1) 中世において擦弦楽器に対して用いられた名。イタリア語の giga,ドイツ語の Geige (バイオリンの意) はそこから出たと考えられる。 (2) イギリスのジグ jigに起源をもつといわれる3拍子あるいは複合3拍子の活気ある宮廷舞踊曲,または器楽用舞曲。 1650~1750年頃アルマンド,クラント,サラバンドと並んで組曲における重要な楽章の一つであり,一般に,その最後におかれた。
ジグ
jig
イギリスの民俗舞踊。アイルランドで興った滑稽踊りがエリザベス朝期に宮廷舞踊に取入れられて 16世紀に流行した。 17世紀の中頃にはヨーロッパ大陸でも踊られるようになり,フランスのジグやイタリアのジガといった組舞や輪舞など独自の舞踊を生んだ。普通8分の6拍子か8分の 12拍子で演じられる。 17世紀末には歌と踊りの寄席芸の通称として一般化した。
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ジグ【jig】
物を加工する場合,加工される工作物と使用する工具との相対位置が正しく保たれていなければ,加工に使用する工作機械がどんなに正確であっても正確な製品を作り出すことはできない。例えば,加工中に生ずる切削力や切削熱のために工具や工作物が変形したり移動すれば,正しい製品はできない。このような不つごうを防止するために用いられる道具をジグという。日本では治具の字をあてたこともあり,また,生産現場では昔から〈やとい〉と呼ぶことが多かった。
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ジグ
工作物を固定するとともに切削工具の位置を正しく保つための道具。治具の字を当てることもある。主として穴あけ,中ぐり,リーマー通しなどの穴加工に用い,加工位置が容易かつ正確に定められる。多量生産の場合,罫書(けがき)作業がはぶけ,また仕上り寸法が統一されて互換性が向上する。ほかに溶接用,組立用などのジグもある。
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世界大百科事典内のジグの言及
【ジーグ】より
…6/8や9/8による速いテンポの舞曲。アイルランドで今日でも奏される舞曲ジグjigに由来するといわれる。フランスのリュート奏者J.ゴーティエにより17世紀前半にロンドンからパリの宮廷に伝えられた。…
【比重選別】より
…ライケルトコーンはこのような分散板と分離板をなん段にも重ねて配置し,その回路構成によって多様な繰返し選別を行うことができるように設計されている。 〈ジグjig〉は鉱石や石炭の粒子層に対し,上下に脈動する水流を作用させることによって比重選別を行う装置である。その原理を図4に示す。…
【ルアーフィッシング】より
…ルアーは〈おとり〉を意味し,金属や木,合成樹脂などを素材にしてさまざまな形につくった擬餌(ぎじ)をいう。大別すれば,名称のごとく湾曲をもたせたスプーンspoon,小魚に似た立方体のプラグplug,水中で回転するスピナーspinner,深いところで上下に運動させるため重くつくったジグjig,カエルやミミズなどの姿に似せたイミテーションルアーの5種がある。釣る際にはルアーの形,色,大小,動きを考慮して選び,リールを巻きながらルアーを演出するといった積極性が要求される。…
※「ジグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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