スティーブンズ(読み)すてぃーぶんず(英語表記)Wallace Stevens

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スティーブンズ(Wallace Stevens)
すてぃーぶんず
Wallace Stevens
(1879―1955)

アメリカの詩人。T・S・エリオット、エズラ・パウンドらと並び立つ20世紀前半の巨匠。ペンシルベニア州レディングに生まれ、ハーバード大学で文学を、ニューヨーク法律学校で法律を専攻。保険会社に入社して1934年には副社長に昇進する。その実務のかたわら詩作に励み、1923年第一詩集『足踏みオルガン』Harmoniumを発表、しばらくの沈黙の期間を経て、1935年『秩序の観念』を著す。その後は、声価も定まって次々と詩集を世に問うた。彼の詩は、穏健な詩体ではあるが、古語、難語を好んで駆使し、独自の象徴用語があってきわめて難解。観念的な瞑想(めいそう)詩を特徴とする。第一詩集ではまだ主題も表現も多彩だが、第二詩集以降は観念語がますます多用され、雑多な現実から遮断された立場に身を置いて、想像力(主体)が現実(客体)をどうとらえ、どう表現するかといった根源的な問いかけに終始するようになる。近年、脱構築(デコンストラクション)の批評理論家などが、改めて関心を寄せ始めている。[沢崎順之助]
『加藤文彦・酒井信雄訳『ウォーレス・スティーヴンズ詩集 場所のない描写』(1966・国文社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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