翻訳|stroboscope
周期的に点滅する光を運動体に照射することによって、静止したと同じような状態で運動体を観測する装置。物体の回転速度や機械の振動周期の測定に利用される。非周期的運動をするボールのような物体の連続写真を撮る目的で使われる周期的閃光(せんこう)発生装置をこのようによぶこともある。このようにして撮影された写真はストロボ写真とよばれる。
回転や振動のような周期的運動を観測する装置としては、肉眼・望遠鏡・顕微鏡などの前に周期的に開閉するシャッターを置くものと、周期的に点滅するストロボ放電管を用いるものとがある。明滅の速度が物体の運動周期と一致すれば物体は静止したように見える。たとえば、レコードの上に円板をのせて電灯や蛍光灯で見ると、レコードが正しい速度で回転するとき、ある帯が静止して見えるので回転数の調節に使われる。このような円板もストロボスコープの一種である。
[石川光男]
急速に運動している物体を,一定の周期をもった間欠的な光で照明し,その物体があたかも静止しているような状態で観測する方法および装置。もし物体が周期的な運動で,その周期と照明光の周期とが一致した場合には,その運動物体は静止しているように見えるし,わずかに両者の周期に差があるときは,物体はゆっくり運動しているように見える。照明方式では,電気的にはネオンランプ,キセノンランプなどを用いる。また機械的な方式では,肉眼または顕微鏡などの対物鏡の前に,スリット円板を一定測度で回転させたり,周期的に開閉するシャッターを置く方法などがある。ストロボスコープは回転数の測定に応用される。また周期性のない高速運動体に対しては,間欠的照明によって,フィルム上に断続的に記録する多重写真で,その運動を解析するストロボ写真などがある。
執筆者:仙田 修
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…17世紀には〈影絵劇場〉も大流行した。1832年,ベルギーの物理学者J.プラトーのフェナキスティコープphenakisticope(あるいはフェナキストスコープphenakistoscope),ドイツの科学者フォン・シュタンパーのストロボスコープstroboscope,次いで翌33年にはイギリスの数学者W.G.ホーナーのゾーエトロープzoetropeといった網膜の残像現象を利用した装置が発明され(すでに1820年代からソーマトロープthaumatropeや〈ファラデーの車輪〉などの錯視の原理による玩具が発明されていたが),50年代から60年代にかけて科学玩具としてもてはやされた。フランスの詩人ボードレールは,51年にこれらの科学玩具の一つフェナキスティコープについて次のように書き,きたるべき映画を予知しているかのようである。…
…17世紀には〈影絵劇場〉も大流行した。1832年,ベルギーの物理学者J.プラトーのフェナキスティコープphenakisticope(あるいはフェナキストスコープphenakistoscope),ドイツの科学者フォン・シュタンパーのストロボスコープstroboscope,次いで翌33年にはイギリスの数学者W.G.ホーナーのゾーエトロープzoetropeといった網膜の残像現象を利用した装置が発明され(すでに1820年代からソーマトロープthaumatropeや〈ファラデーの車輪〉などの錯視の原理による玩具が発明されていたが),50年代から60年代にかけて科学玩具としてもてはやされた。フランスの詩人ボードレールは,51年にこれらの科学玩具の一つフェナキスティコープについて次のように書き,きたるべき映画を予知しているかのようである。…
※「ストロボスコープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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