ストロボスコープ(読み)すとろぼすこーぷ(英語表記)stroboscope

翻訳|stroboscope

精選版 日本国語大辞典 「ストロボスコープ」の意味・読み・例文・類語

ストロボスコープ

〘名〙 (stroboscope)
回転体の回転速度などを測定する装置円板の縁に沿った部分に白と黒の線を塗り分けたストロボ板を回転体に取り付け、これを測定しようとする周波数で点灯する放電管で照らす。照明周期と回転数が一致すると回転体は静止したように見える。これを利用して回転運動または、振動の周期をはかる。〔電気工学ポケットブック(1928)〕

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デジタル大辞泉 「ストロボスコープ」の意味・読み・例文・類語

ストロボスコープ(stroboscope)

規則的に点滅する光を回転体や振動体に照射し、その運動のようすや周期を、観測または撮影する装置。照明の周期と一致すると、運動体が静止したように見えることを利用している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストロボスコープ」の意味・わかりやすい解説

ストロボスコープ
すとろぼすこーぷ
stroboscope

周期的に点滅する光を運動体に照射することによって、静止したと同じような状態で運動体を観測する装置。物体の回転速度や機械の振動周期の測定に利用される。非周期的運動をするボールのような物体の連続写真を撮る目的で使われる周期的閃光(せんこう)発生装置をこのようによぶこともある。このようにして撮影された写真はストロボ写真とよばれる。

 回転や振動のような周期的運動を観測する装置としては、肉眼望遠鏡顕微鏡などの前に周期的に開閉するシャッターを置くものと、周期的に点滅するストロボ放電管を用いるものとがある。明滅の速度が物体の運動周期と一致すれば物体は静止したように見える。たとえば、レコードの上に円板をのせて電灯蛍光灯で見ると、レコードが正しい速度で回転するとき、ある帯が静止して見えるので回転数の調節に使われる。このような円板もストロボスコープの一種である。

石川光男

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改訂新版 世界大百科事典 「ストロボスコープ」の意味・わかりやすい解説

ストロボスコープ
stroboscope

急速に運動している物体を,一定の周期をもった間欠的な光で照明し,その物体があたかも静止しているような状態で観測する方法および装置。もし物体が周期的な運動で,その周期と照明光の周期とが一致した場合には,その運動物体は静止しているように見えるし,わずかに両者の周期に差があるときは,物体はゆっくり運動しているように見える。照明方式では,電気的にはネオンランプ,キセノンランプなどを用いる。また機械的な方式では,肉眼または顕微鏡などの対物鏡の前に,スリット円板を一定測度で回転させたり,周期的に開閉するシャッターを置く方法などがある。ストロボスコープは回転数の測定に応用される。また周期性のない高速運動体に対しては,間欠的照明によって,フィルム上に断続的に記録する多重写真で,その運動を解析するストロボ写真などがある。
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百科事典マイペディア 「ストロボスコープ」の意味・わかりやすい解説

ストロボスコープ

間欠的観察(ネオンランプ等一定の周期で点滅する光源で照らすか,周期的に開閉するスリットを通して見る)により,急速に回転または振動している物体を静止状態で観察する方法,装置。間欠的観察の周期と物体の運動周期(またはその整数倍)が完全に一致すれば物体は静止して見え,わずか異なればゆっくり運動しているように見える。運動物体の周期の測定や,変形・運動状態の解析に用いられる。身近な例はレコードの回転速度調整用の円板(ストロボスコープ回転板)で,円板上の図形がp回回転対称(1/p回転ごとに同じ形になる)で毎分n回(毎秒n/60回)回転し,ネオンランプが毎秒m回点滅するとすれば,1/m=60/n×1/pつまりp=60m/nのとき円板は静止して見える。たとえばm=100,n=33 1/3ならp=6000×3/100=180。
→関連項目ネオンランプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストロボスコープ」の意味・わかりやすい解説

ストロボスコープ
stroboscope

回転体や振動体などの運動の様子を観察したり,周期を測定したりする装置。瞬間的な発光を繰返す光源で運動体を照すとき,発光の繰返し周期が運動体のそれに等しければ,運動体は静止して観測され,光源の周期から運動体の周期が求められる。発光と運動体の周期にわずかの差があれば,その差を周期として観測の位相がずれてゆくので,高速の運動状態の変化もゆっくりと眼で追うことができる。断続する光源を用いるかわりに,瞬間的に開閉するシャッタや反射鏡を通して観測する方法もある。

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世界大百科事典(旧版)内のストロボスコープの言及

【映画】より

…17世紀には〈影絵劇場〉も大流行した。1832年,ベルギーの物理学者J.プラトーのフェナキスティコープphenakisticope(あるいはフェナキストスコープphenakistoscope),ドイツの科学者フォン・シュタンパーのストロボスコープstroboscope,次いで翌33年にはイギリスの数学者W.G.ホーナーのゾーエトロープzoetropeといった網膜の残像現象を利用した装置が発明され(すでに1820年代からソーマトロープthaumatropeや〈ファラデーの車輪〉などの錯視の原理による玩具が発明されていたが),50年代から60年代にかけて科学玩具としてもてはやされた。フランスの詩人ボードレールは,51年にこれらの科学玩具の一つフェナキスティコープについて次のように書き,きたるべき映画を予知しているかのようである。…

【映画】より

…17世紀には〈影絵劇場〉も大流行した。1832年,ベルギーの物理学者J.プラトーのフェナキスティコープphenakisticope(あるいはフェナキストスコープphenakistoscope),ドイツの科学者フォン・シュタンパーのストロボスコープstroboscope,次いで翌33年にはイギリスの数学者W.G.ホーナーのゾーエトロープzoetropeといった網膜の残像現象を利用した装置が発明され(すでに1820年代からソーマトロープthaumatropeや〈ファラデーの車輪〉などの錯視の原理による玩具が発明されていたが),50年代から60年代にかけて科学玩具としてもてはやされた。フランスの詩人ボードレールは,51年にこれらの科学玩具の一つフェナキスティコープについて次のように書き,きたるべき映画を予知しているかのようである。…

※「ストロボスコープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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