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スピノル spinor

大辞林 第三版の解説

スピノル【spinor】

二成分または四成分をもち、特定の変換性によって定義された基本量。電子や陽子など、半整数スピンをもつ粒子の状態を記述するのに用いられる。 → スピン

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世界大百科事典 第2版の解説

スピノル【spinor】

電子のように1/2のスピンをもつ状態,さらに一般に任意のスピンをもつ状態を表すために導入された量で,スピノルの名もスピンに由来している。三次元空間を回転させたとき,その中の量は回転に伴って変化するが,その変化のしかたによってスカラー,ベクトル,テンソルなどに区別される。変化しないものをスカラーといい,空間内の変位を表す矢印と同じようにふるまうのがベクトルであり,数個のベクトルの積と同じように変化するのが高階のテンソルである。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スピノル
spinor

空間の回転に伴って変換する複素数の 2成分の量。3成分をもつベクトルよりも,回転に対して基本的な性質を表現する。また相対性理論でのローレンツ変換に対しても拡張できる概念である。量子力学において,電子クォークなどスピンが 1/2の粒子を記述するのにも用いられる。この合,二つの成分はそれぞれ,スピンが上向きの状態と下向きの状態に対応する。相対論的量子力学では,これらの粒子はその反粒子とともに,スピノルを二つ組み合わせた,4成分のディラック・スピノルというもので表される。1928年に理論物理学者ポール・A.M.ディラックにより,相対論的量子力学の方程式であるディラック方程式を表現するために導入された。数学的には,回転群よりもある意味で基本的な SU(2)群の基本表現であり,ベクトルは 2階のスピノルで表される。

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