セリグマン(英語表記)Edwin Robert Anderson Seligman

改訂新版 世界大百科事典 「セリグマン」の意味・わかりやすい解説

セリグマン
Edwin Robert Anderson Seligman
生没年:1861-1939

アメリカの財政学者,経済学者。ニューヨークに生まれ,コロンビア大学で法律,哲学文学を学ぶ。さらに,ベルリンハイデルベルクジュネーブパリの諸大学で歴史,法律,経済を研究した後,1885年コロンビア大学に迎えられ1931年まで,経済学,財政学を講じた。この間,同大学経済学部長,数多くの財政,経済委員会の委員,《社会科学百科事典Encyclopaedia of the Social Science》(1930-34)の編集長,多くの学術誌の編集人を務めた。また1885年J.B.クラークなどとアメリカ経済学会を創設し,その会長となった。その他,アメリカ大学教授協会American Association of University Professorsの創設委員および会長として,アメリカの経済学会組織化の中心人物であった。彼は支払能力に基づく所得税累進課税の公正さを論じたが,その租税転嫁,税の生産に及ぼす効果に関する著作である《租税転嫁論》(1892)は古典的地位を確立した。また一般経済理論,経済思想史にわたる幅広い業績には,歴史的研究を重視するドイツ留学の影響がみられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セリグマン」の意味・わかりやすい解説

セリグマン
Seligman, Edwin Robert Anderson

[生]1861.4.25. ニューヨーク
[没]1939.7.18. ニューヨーク,レークプラシッド
アメリカの経済学者,財政学者。コロンビア大学を経てヨーロッパに留学。ベルリン,ハイデルベルク,ジュネーブ,パリ大学で経済,歴史,法律学を修め,帰国後も母校で研究を続け,1891~1931年同大学の経済学教授をつとめた。主著『租税転嫁論』 On the Shifting and Incidence of Taxation (1892) は,限界効用理論を導入した近代租税転嫁論の集大成として有名。またアメリカ経済学会創立者の一人で,1902年から 04年にかけて会長となったほか,"Encyclopaedia of the Social Sciences" (16巻,1927~35) の編集主幹となるなど,アメリカ経済学の発展育成に貢献した。

セリグマン
Seligman, Kurt

[生]1900.7.20. バーゼル
[没]1961.1.2. ニューヨーク,ミドルタウン
スイス生れのアメリカの画家。ジュネーブの美術工芸学校に学ぶ。 1920,30年代を通じてアブストラクシオン・クレアシオンシュルレアリスムの作家グループとパリなどで活動をともにし,この期の作品にはアルプミロの影響がみられる。 1939年アメリカに移住。新世界の風土に対する関心が彼独自の幻影の世界に混入している『低気圧地域の諸形態』と名づけた連作や,包帯で包まれた人物表現の連作を発表。彼の芸術の核心中世の魔術的傾向に深く根ざした超現実主義的人間表現にあった。

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百科事典マイペディア 「セリグマン」の意味・わかりやすい解説

セリグマン

米国の経済学者,財政学者。1891年―1931年コロンビア大学教授。古典派と歴史学派の調和を図ったほか,租税転嫁の理論と学説史をきわめた主著《租税転嫁論》(1892年)で著名。また《セリグマン社会科学百科事典》の編集主幹としても知られる。

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367日誕生日大事典 「セリグマン」の解説

セリグマン

生年月日:1861年4月24日
アメリカの経済学者,財政学者
1939年没

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