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社会思想 しゃかいしそうsocial thought

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

社会思想
しゃかいしそう
social thought

一般には,社会における人間の生き方についての思想をいう。具体的には,文化,政治,経済などに関するイデオロギーという形態をもって現れる。そのため,特に個人が社会に対してなんらかの抵抗,矛盾を感じ,社会を多かれ少なかれ明確な対象として設定し,常に既存の社会に対する抵抗や変革を目指すという態度決定を根底にひそめている思想をいう場合が多い。社会主義思想と混同されやすいが,それよりも広い概念としてとらえるべきであろう。 19世紀以前のヨーロッパでは,思想というものは,その思想を生み出す人間の現実的な生活のあり方とは一応無関係に,それ自身の根拠と論理に従って発展するものと考えられていた。しかし,1840年代以降,G.W.F.ヘーゲル,L.A.フォイエルバハ,K.H.マルクス,F.エンゲルス,さらには M.ウェーバー,K.マンハイムといった思想家の活動が大きな推進力となって,思想というものが一定の集団のなかで,歴史的,社会的に規制されつつ,生活する人間の現実的な営みのなかで生れてくるということ,したがって,思想のあり方が,社会のあり方と密接な結びつきをもっていることが明確化されてきた。このような思想が一定の集団のなかで歴史的,社会的に規制されつつある人間の現実的な生活の営みのなかで生れてくるという,思想と社会との動的な連関を通して思想の歴史を究明する学問が,社会思想史学として生れてきた。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃかいしそう【社会思想】

人間の社会に対する意識と態度とに媒介されつつ形成される社会の総体的な把握をいう。社会のなかに生きている人間が社会の総体的なあり方を意識し認識しようとするのは,その人間が社会生活のなかで不正,抑圧などを経験し,そこに問題を見いだすからにほかならない。したがって社会思想は,強弱の差はあるにせよ,社会に対する批判的態度を含んでおり,その態度に媒介されて社会についての意識・認識が深まり,その深まりに媒介されて態度が変化していくことになる。

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