ソクラテスの弁明(読み)そくらてすのべんめい(英語表記)Apologia Socratis

日本大百科全書(ニッポニカ)「ソクラテスの弁明」の解説

ソクラテスの弁明
そくらてすのべんめい
Apologia Socratis

プラトンの著作。ソクラテスが紀元前399年、アテネの法廷に訴えられ、裁判され、処刑されたときの法廷でのソクラテスの弁論を記したもの。最初の弁論、有罪の宣告後の弁論、死刑の宣告後の弁論の三部分からなる。ソクラテスの哲学の真髄であるとプラトンがみなすものを呈示し、これとソクラテスの告発・判決・死刑との関連を明らかにしたものとして注目される。プラトンによるソクラテス文学は、ときとして作者の創作を含むと考えられるが、この著作は歴史的にもおおむね忠実であるとみなされることが多い。文体としてはプラトンの作品中、白眉(はくび)の一つで、古来、ギリシア文学史上、散文文学の珠玉として重んじられてきた。

[加藤信朗]

『久保勉訳『ソクラテスの弁明・クリトン』(岩波文庫)』『山本光雄訳『ソクラテスの弁明他』(角川文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ソクラテスの弁明」の解説

ソクラテスの弁明
ソクラテスのべんめい
Apologia; Apology of Socrates

古代ギリシアの哲学者プラトンの対話篇の一つ。前 399年ソクラテスは国家の神々を信奉せず新しい神を導入し,また青年に悪影響を与えたとしてメレトスにより告発されたが,彼はこれに対して堂々たる弁明を試みた。プラトンは数年後おそらく師の真の姿を示そうとしてこの書を著わした。それは歴史的事件の証人としての完全に正確な記録とはいえないにしても,ソクラテスの哲学的活動の意義,使命感,あわせてプラトンの哲学上の立場を知るうえにきわめて重要な文献の一つ。

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精選版 日本国語大辞典「ソクラテスの弁明」の解説

ソクラテスのべんめい【ソクラテスの弁明】

(原題Apologia Sōkratis) 哲学書。プラトン著。国家の神々を信じず、また青年を腐敗堕落させたとして告発されたソクラテスが、アテネ法廷で行なった弁明の模様をソクラテス自身の一人称で記述。告発事項への反論、告訴者メレトスとの一問一答、政治活動、教師生活をしなかったことを主張する三つの演説からなる。

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