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ソフォクレス ソフォクレス Sophoklēs

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ソフォクレス
ソフォクレス
Sophoklēs

[生]前496/前495. アッチカ,コロノス
[没]前406. アテネ
ギリシア三大悲劇詩人の一人。俳優を2人から3人に,コロスを 12人から 15人にふやし,背景に絵を使い,3部作形式をやめて1編ずつ独立させ,主役の性格と演技を重視するなど,悲劇に大改革を加えた。

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デジタル大辞泉の解説

ソフォクレス(Sophoklēs)

[前496ころ~前406ころ]古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人。形式・内容ともに古典悲劇の完成者とされる。「アンティゴネ」「エレクトラ」「オイディプス王」など7編が現存。ソポクレス。→ギリシャ悲劇

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百科事典マイペディアの解説

ソフォクレス

ギリシア三大悲劇詩人の一人。アテナイ郊外の富裕な家に生まれ,種々の公職を歴任。前468年悲劇の競演でアイスキュロスを破って優勝して以来,彼の悲劇は生涯に24回優勝し,作品は123編に及んだが,現存するのは《アンティゴネ》《オイディプス王》《エレクトラ》等7編と断片。
→関連項目アイアスエネスコギリシア演劇テーベ伝説

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世界大百科事典 第2版の解説

ソフォクレス【Sophoklēs】

前496か495‐前406
古代ギリシア三大悲劇詩人の一人。詩人として,また一市民として輝かしい業績を残した彼の90年に及ぶ生涯は,前5世紀というアテナイの最盛期のほぼ全体と一致し,それ自体ギリシア古典文化の典型であり,また象徴と称することができよう。早くも前468年,大ディオニュシア祭の悲劇競演で先輩詩人のアイスキュロスを破って初優勝を遂げて以来,彼は生涯に24回の優勝を数えたといわれる。その間に一市民としては前443‐前442年にデロス同盟の財務長官(ヘレノタミアス)を務め,前440年にはペリクレスの同僚の将軍(ストラテゴス)としてサモスに遠征し,さらにシチリア遠征直後の危機に際しても最高委員(プロブロス)の一人として祖国再建の任に携わっている。

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大辞林 第三版の解説

ソフォクレス【Sophoklēs】

前496頃~前406) 古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人。アテナイの全盛期に、劇作のみならず公事においても活躍。第三人目の俳優を導入し合唱隊を改革するなど、悲劇を完成に導いた。一二三編の作品があったとされ、うち七編が現存する。「オイディプス王」「エレクトラ」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ソフォクレス
そふぉくれす
Sophokles
(前496ころ―前406)

アイスキロス、エウリピデスとともに古代ギリシア三大悲劇詩人の1人。アテネの最盛期に、アテネ市郊外コロノスの裕福な家庭に生まれ育ち、最高の教育に恵まれ、29歳で悲劇競演に初出場して優勝して以来、死の直前の90歳まで創作活動を続け、123編の作品があったと伝えられる。政治家としても財務長官、将軍、最高政治委員などの高官職を歴任し、晩年には神祇(じんぎ)官も務めて人望のある幸福な生涯を送った。
 紀元前480年、外敵ペルシアに決定的打撃を与えたサラミスの海戦勝利の祝賀祭で、少年ソフォクレスは美しく身を飾って少年合唱隊の指揮をした。先輩アイスキロスは一兵士としてこの海戦に参加し、後輩エウリピデスはこのとき生まれたと伝えられているが、このことから三大悲劇詩人を興隆、全盛、衰退期の詩人としてそれぞれの作風を特徴づけることもできる。祝福された神の寵児(ちょうじ)として人々に愛されたソフォクレスが、人間苦悩の極まるところを描き、穏やかにして明朗な人物からもっとも純粋な悲劇性が生じたという逆説がここに完成する。
 七作品だけが完全な形で現存している。最強の武将であるとの自認にもかかわらずその名誉を奪われ、この屈辱を晴らそうとして失敗し、美しく生きられないがゆえに美しい死を遂げた『アイアス』。反逆者たる兄の埋葬を禁ずるという権力側の法令を無視して、血縁者としての義務を果たし死者の追悼という神々の永遠の法を守って身を犠牲にした『アンティゴネ』。夫を愛する妻が失われた夫の愛を取り戻そうとしてしたことが、逆に夫を殺す破目となり、自らも生命を絶つ『トラキスの女たち』。外見幸福にして偉大な王者が、真実には知らずして父の殺害者、母の夫となっていたことを、自らの意志の力で暴いて破滅した『オイディプス王』。殺された父のための復讐(ふくしゅう)の念だけで生きており、帰国した弟と協力して報復を成し遂げる『エレクトラ』。孤島に置き去りにされ、病気に苦しみながらも孤高の精神の保持者たる主人公を中心に、正義の士と陰謀家を対照させて三者のやりとりのなかで人間性を豊かに描く『ピロクテテス』。そして、死の直前に創作した『コロノスのオイディプス』(死後上演)では、苦悩の極まるところを体験した老主人公が長い放浪のすえ、アテネのはずれのコロノスの聖域にたどり着き、彼のなかに充満している愛情や感謝や憎悪や呪咀(じゅそ)を吐露したのち、この罪なくして穢(けが)れに染まった人間が、不思議にも神との和解のもとで安らかに逝く。
 ソフォクレスは罪なき者の苦悩を容赦なく描く。苦悩や死は人間存在の実相であり、不可避的なものである。劇主人公は決定的状況に面して勇気をもって対決し、妥協せず、屈辱の生よりも死や破滅を選ぶ。この強固にして高貴なる人間が苦悩しぬくところに悲劇的美なり悲劇的崇高性が輝く。劇の筋は神話どおりであり、観衆は事態も結末も知っている。劇中人物が知らずして語ることばや行為と、真実を知る観衆との対照が大きな劇的効果をあげ、悲劇的な緊迫感を盛り上げるこの手法がソフォクレス的ないし悲劇的アイロニーといわれる。[竹部琳昌]
『呉茂一・松平千秋他訳『ギリシア悲劇全集 ソポクレス篇』(1960・人文書院)』

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世界大百科事典内のソフォクレスの言及

【アンティゴネ】より

…ギリシアの三大悲劇詩人の一人ソフォクレスの代表作(前442か441)。同じ作者の《オイディプス王》《コロノスのオイディプス》に続く内容を持つ。…

【エレクトラ】より

…アッティカ悲劇の現存作品中,エレクトラのタイトルを有するものは二つある。一つはソフォクレスのおそらくは初期に属する作品であり,もう一つはエウリピデスの前413年に上演された作品である。アガメムノンの遺児エレクトラとオレステスが,父の仇である実母クリュタイムネストラ(クリュタイメストラ)とその愛人アイギストスを殺害する,という行為をめぐって劇が組み立てられている,という点でも両者は共通する。…

【オイディプス王】より

…古来最高傑作の誉れ高いソフォクレス作のギリシア悲劇。前429年ころから前425年ころに上演されたと推定される。…

【ギリシア演劇】より

…この発見が,ギリシア演劇における対話技術の目覚ましい進展を促す力となり,ひいては演劇構造(筋立て)のくふうと演劇的人間像の創造に連なったと思われる。 ソフォクレスの《アンティゴネ》では劇中対話の彫琢技術はアイスキュロスを凌駕しているが,作品全体の構造はまだアイスキュロスに近い。しかし《アイアス》では,恥辱にまみれた誇り高い一人の男が最後の決断に至る苦悶の過程を一本の筋とし,彼の選択の意味づけを劇の結末とする。…

【ギリシア文学】より

…アイスキュロスは古い神話・伝説が伝える人間の迷妄,執念,呪詛が織り成す葛藤や悲劇が,新しい正義と秩序のもとに苦難を経つつも解決に向かうべきことを告げている。続いてソフォクレス,エウリピデスらも観客の心眼を,人間の行為と運命を神々の眼からとらえる悲劇芸術の視点にまで高めようとしている。さらに特記すべきはアリストファネスの喜劇であろう。…

【コロノスのオイディプス】より

…ギリシア三大悲劇詩人の一人ソフォクレスの最晩年の名作。父を殺し母と結婚するという,運命の予告どおりの罪と汚れを犯したオイディプスは,われとわが手で己を罰し盲目となったのち,娘アンティゴネとともに諸国を漂浪し,ついにアテナイのエウメニデスの聖域にたどりつく。…

【デウス・エクス・マキナ】より

…神の直接介入による話の決着は,すでに初期叙事詩人の常套手段となっており,劇作家たちはこれを視覚的表現手段にゆだねたのである。現存するソフォクレスの《フィロクテテス》や,エウリピデスのほとんどすべての劇作は,〈機械仕掛け〉に依存しているが,アリストテレスは《詩学》において,一編の劇作の結末は筋の段どりそのものの中から必然性ないしは蓋然性に基づいて導き出されるべきものとして,その利用については批判的見解を記している。【久保 正彰】。…

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