タリオ(英語表記)〈ラテン〉talio

  • Talio ラテン語
  • talio

世界大百科事典 第2版の解説

同害刑と訳され,〈目には目を,歯には歯を〉の語で表現されている刑罰である。最古には許されていた無制限の復讐(フェーデ)を制限して,受けた害と同一の害を加害者側に加えることしか許さない制裁形態である。この点で,最古の状態からは一歩前進した刑罰形態である。制裁の主体は,本来は被害者ないしその親族であるが,徐々に国家的機関がこれに取って代わる傾向がある。同害刑は,現実には,生命および身体に対する危害の場合にもっとも多く行われる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

同害報復刑、反座刑ともいう。被害者が受けたと同種の害を加害者に加え、または同種の方法で加害者を害するものである。タリオの語は、古代ローマの十二表法の規定「もし彼が他人の四肢を分離せしめ、妥協ととのわざるときは、タリオたるべし」(第八表2)に由来するが、すでに古く『ハムラビ法典』や『旧約聖書』の「出エジプト記」やコーランにもみられる。このようなタリオは、前記のほか古代ギリシアや古代中国においてもみられるが、ゲルマンやインドにはなかったとされている。多くの場合タリオは比較的早い段階で消滅し、国家の定める特定の刑罰か、あるいは財産による損害賠償へと変化したが、その基本的考え方は応報であり、この考え方は刑罰の歴史に大きな影響を与えた。

[佐藤篤士]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のタリオの言及

【刑罰】より

…このようにして刑罰は復讐の中にまず姿を現し,しかも,復讐行為は完全な適法行為たる性格を持つ。しかし,時とともに比較的早くに一部では,復讐が無制限に広がることを,一つには同害報復すなわちタリオ(同害刑)により,また一つには加害者を委付することにより制限する傾向が生じる。中央権力の多少の成長とともに,裁判が出現しても,復讐制は並存し,しかも,裁判は被害者(原告)による弾劾を原則とすると同時に賠償金主義をとるにすぎない。…

※「タリオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

朝三暮四

《中国、宋の狙公(そこう)が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見え...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

タリオの関連情報