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タンチョウ Grus japonensis; red-crowned crane

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

タンチョウ
Grus japonensis; red-crowned crane

ツル目ツル科。全長 1.2~1.5m,翼開張 2.4mで,日本産の鳥のなかでは最大の一種である。羽色はほとんど白色だが,眼先から頸,次列風切および三列風切が黒く,頭頂は赤い皮膚が裸出している。尾羽は白いが,翼を広げないと黒い風切羽の先が尾羽のように見える。大陸では中国北東部やウスリー川流域からアムール川中流域,モンゴルで繁殖し,朝鮮半島と中国東部に渡って越冬する。日本では留鳥で,北海道東部に生息し,湿原で繁殖する。繁殖期の初めに雌雄は向かい合って求愛ダンスを見せる(→求愛行動)。巣は地上にアシの枯れ茎を積み上げてつくり,2卵を産む。冬季は人工給餌場などに移動する。明治時代に乱獲と湿原の開拓により激減し,大正時代初期には絶滅したとも考えられた。生息数は 1950年頃には数十羽だったが,1952年に国の特別天然記念物(→天然記念物)に指定され,冬の給餌が開始されたことなどにより,徐々に個体数が増加し,2013年現在 1000羽をこえている。ワシントン条約附属書I適用鳥。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

タンチョウ
たんちょう / 丹頂
Japanese crane
[学]Grus japonensis

鳥綱ツル目ツル科の鳥。日本の鳥のなかでも姿がもっとも優美であり、また「(つる)は千年」の言い伝えから、古来長寿やめでたいことのシンボルにされている。全長約1.4メートル。体は白色で、眼先(めさき)、のどから頸側(けいそく)にかけて黒く、頭頂に赤色裸出部がある。次列・三列風切(かざきり)は黒く、飾り羽状に長く伸びて、尾の上を覆う。このため、一見尾が黒いようであるが、尾羽は白い。シベリア南東部、中国東北部、北海道の釧路(くしろ)・根室地方で繁殖する。大陸のものは冬期に朝鮮半島、中国東部に渡るが、北海道では留鳥として周年生息し、2009年1月の調査では1065羽が確認された。しかし、明治維新以前には、繁殖しているもののほかに、各地に冬鳥として渡来するものが多かったといわれている。
 広い湿地にすみ、種子、芽、若根、穀物、水生の小動物などを食べている。湿地の中にアシや枯れ茎を積み上げて、直径1メートル以上、高さ70~80センチメートルに及ぶ大きな巣をつくり、1腹2個の卵を産む。抱卵は雌雄交代で行い、抱卵期間は約33日。雛(ひな)は黄褐色の綿毛に覆われ、2個の卵から1羽だけ生き残ることが多いようである。各種のディスプレーのなかでは、ダンスと鳴き合いがよく知られていて、とくに春先によくみることができる。
 北海道では、1952年(昭和27)の冬、猛吹雪(もうふぶき)のためタンチョウが飢えそうになったのをきっかけに、毎冬トウモロコシの餌(え)まきが行われるようになり、その結果人家近くにもすむようになった。こうしたことから、タンチョウ保護に対する一般の関心も高まり、また1958年には釧路市に丹頂鶴(たんちょうづる)自然公園が開園、タンチョウを見にくる観光客も増えた。1952年タンチョウと生息地は特別天然記念物に指定され、1964年に北海道鳥、1967年区域を定めず特別天然記念物となっている。なお、タンチョウヅルともよばれるが、和名はタンチョウというのが正しい。[森岡弘之]

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