ダイオード(英語表記)diode

翻訳|diode

デジタル大辞泉 「ダイオード」の意味・読み・例文・類語

ダイオード(diode)

整流検波スイッチなどの働きをする二極素子。元来は二極真空管をさしたが、現在は半導体ダイオードをさす。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ダイオード」の意味・読み・例文・類語

ダイオード

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] diode ) 二極電子素子。元来は二極真空管をさしたが、現在は半導体で作ったものをいう。整流、検波素子などとして電子回路に広く用いられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ダイオード」の意味・わかりやすい解説

ダイオード
diode

二極素子に対する一般的名称であり,二極真空管,p-n接合ダイオード,ショットキーダイオード,MISダイオード,インパットダイオードガンダイオード定電圧ダイオード発光ダイオードなどさまざまな性質をもった多種類の素子が含まれている。整流作用をもたせたp-n接合ダイオードは,その代表的なものである。p-n接合ダイオードは図1に示すように半導体結晶の中に,p型領域とn型領域が隣接するように形成させて構成したものである。図2に示すような非線形電圧電流特性を有し,電流の大きさはn領域およびp領域に注入される正孔,電子の拡散により決まり,その電流密度は,で表される。ここでqは電気素量,pnnpならびにDpDnLpLnは,n領域,p領域の熱平衡での正孔,電子密度ならびに正孔,電子の拡散定数,拡散長であり,Vは電圧,kはボルツマン定数,Tは絶対温度である。交流信号に対しては少数キャリアの拡散アドミタンスが支配的になり,順方向に電流を流していたp-n接合ダイオードに逆方向の電圧を加えると少数キャリア蓄積効果を生ずるので,ショットキーダイオードほど高速・高周波動作はできない。しかし少数キャリア注入機能があるので,バイポーラトランジスターのエミッターとして必須の構成要素である。また図2に示したように非線形の電圧電流特性があるので,整流器などに使用されるほか,バイポーラトランジスターのコレクターやMOS電界効果トランジスターのソースドレインなど,半導体素子の重要な構成要素である。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ダイオード」の意味・わかりやすい解説

ダイオード

二極管のように陰極陽極の2電極をもつ電子素子。一般には2端子半導体素子(半導体ダイオード)をさす。半導体としてゲルマニウムシリコンケイ素),ガリウムヒ素等が,特に大電力用にはシリコンが用いられる。半導体に金属針を立てた点接触形,半導体に金や銀の細線を融着したボンド形,合金や拡散技術を使って二つの半導体を接合した接合形等に分けられ,後2者はpn接合を利用したもの。整流器,検波器,電子スイッチ等の広い用途があり,特殊なものに可変容量ダイオード,定電圧ダイオード,トンネルダイオード等がある。
→関連項目検波ショットキーダイオードトランジスターラジオ半導体半導体ダイオード

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

知恵蔵 「ダイオード」の解説

ダイオード

2つの端子を持ち、強い非線形の電流‐電圧特性を持つ電子素子。半導体のpn接合や半導体と金属を接触させたショットキー接合などが主で、整流特性を示す。これらのダイオードは整流器や検波器として使われている。このほか、マイクロ波増幅・発振を行うインパット・ダイオードやガン・ダイオード、2つの異なった周波数の信号を混合するミキサ・ダイオード、電気容量の電圧変化を利用した可変容量ダイオード、一定の電圧を実現するツェナ・ダイオードなどもある。

(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「ダイオード」の解説

ダイオード

一方向にのみ電流を流す性質のある半導体素子。この性質を利用して、交流を直流に変換する整流器などに使われている。電流を流すと光を発する性質を持つ半導体素子、発光ダイオード(LED)もダイオードの種類のひとつ。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

化学辞典 第2版 「ダイオード」の解説

ダイオード
ダイオード
diode

[別用語参照]半導体ダイオード

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダイオードの言及

【半導体】より

…逆に電子が正孔を埋めれば(再結合という),光が放射される。光ダイオードや半導体レーザーはこの現象を利用している。バンド構造【黒沢 達美】
【半導体の応用と半導体素子】
 半導体にはn型半導体とp型半導体があり,電流を運ぶキャリアである電子と正孔のうち,n型半導体では電子が正孔より著しく多く,p型半導体ではその逆である。…

※「ダイオード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ゲリラ豪雨

突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...

ゲリラ豪雨の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android