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チャンドラセカール Chandrasekhar, Subrahmanyan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チャンドラセカール
Chandrasekhar, Subrahmanyan

[生]1910.10.19. ラホール
[没]1995.8.21. シカゴ
インド (現パキスタン領内) 生れのアメリカの天体物理学者。 S.C.V.ラマンの甥。マドラス大学ケンブリッジ大学トリニティ校などで学び 1937年にシカゴ大学に移る。 1930年代前半に,天体内部の水素がすべてヘリウムに変ったのち,天体はエネルギーを失い自分の重力によって収縮していくとの理論を立てた。これらの天体は白色矮星と呼ばれ,内部は原子核や電子が極限的な高密度状態に圧縮されている。太陽の 1.44倍以上の質量をもつ星は白色矮星にならずに収縮を続け,超新星爆発を起して中性子星になると予測した。この値はチャンドラセカールの限界と呼ばれる。 83年ノーベル物理学賞を受賞した。

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百科事典マイペディアの解説

チャンドラセカール

米国の天文学者。インドのラホールに生まれ,マドラス大学を出て1930年渡英,1936年渡米。1944年シカゴ大学教授,1953年米国に帰化。恒星の大気,内部構造,恒星系の力学等を理論的に研究,チャンドラセカールの限界(太陽の質量のほぼ1.4倍)以下の恒星は進化の最後に白色矮星(わいせい)になるが,それより大きい恒星はその前に大爆発を起こして余分の質量をふきとばす(超新星)という説を立てた。

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世界大百科事典 第2版の解説

チャンドラセカール【Subrahmanyan Chandrasekhar】

1910‐95
アメリカの理論天体物理学者。インドのラホール(現,パキスタン)に生まれ,マドラス大学およびイギリスのケンブリッジ大学で学ぶ。1936年渡米,53年帰化。諸大学を歴任の後,1944年よりヤーキス天文台教授となる。21歳のとき,白色矮星(わいせい)の内部構造の研究からその質量には上限(電子の縮退圧によって,平衡を保つことのできる質量には限界があり,その限界をチャンドラセカール限界という)があることを発見,これよりも重い星は進化の途上で余分な質量を放出せざるを得ないことを示した。

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大辞林 第三版の解説

チャンドラセカール【Subrahmanyan Chandrasekhar】

1910~1995) アメリカの理論天体物理学者。インド生まれ。恒星大気、恒星の内部構造、恒星系の力学、放射輸送など、卓越した数学力による研究を行い、ブラック-ホールの問題に先鞭をつけた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チャンドラセカール
ちゃんどらせかーる
Subrahmanyan Chandrasekhar
(1910―1995)

アメリカの天体物理学者。イギリス領インドのラホール(現在はパキスタン)に生まれる。チェンナイ(マドラス)のプレジデンシー・カレッジで理論物理学を学び、1930年卒業。ケンブリッジ大学に留学し、1933年に博士号を取得、また同大の特別研究生になった。1937年渡米し、シカゴ大学で准教授を務め、1944年教授に昇格、1986年退職し名誉教授となった。その間、1953年にアメリカの市民権を取得、また学術雑誌『天体物理学』Astrophysical Journalの編集長を務めた。
 星の内部構造と進化について研究した。星はその質量によって異なった進化の過程をとる。彼は、太陽の質量の1.4倍を限界点として、それ以上の質量の星は超新星として爆発して進化を終え、それ以下の質量の星は白色矮星(わいせい)とよばれる高温の小さな星となり、やがて終焉(しゅうえん)を迎えるとした。この限界点は「チャンドラセカールの質量限界」とよばれている。このほか、恒星大気の放射輸送、恒星の電磁流体力学的研究、ブラック・ホールの研究などがある。1983年に「天体の構造と進化の物理的過程に関する理論研究」でノーベル物理学賞を受賞。宇宙空間における元素の形成にとって重要な核反応を研究したファウラーとの同時受賞であった。なお、1999年7月に打ち上げられたアメリカのX線観測衛星は、彼の名にちなみ、「チャンドラ」と名づけられた。[編集部]
『S・チャンドラセカール著、長田純一訳『星の構造』(1973・講談社) ▽S・チャンドラセカール著、中村誠太郎監訳『チャンドラセカールの「プリンキピア」講義――一般読者のために』(1998・講談社) ▽桜井邦朋著『天体物理学の基礎』(1993・地人書館) ▽Arthur S. EddingtonThe Internal Constitution of the Stars(1988, Cambridge University Press)』

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