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ツチトリモチ

百科事典マイペディアの解説

ツチトリモチ

ツチトリモチ科の多年草。ハイノキ科の常緑樹,とくにクロキの根に寄生し,本州(紀伊半島)〜沖縄に分布する。全形キノコに似る。血赤色で,葉緑素をもたず,高さ5〜10cm,茎は皮目のある不正球状の塊根から直立し,多肉でふつう分枝せず,数個の鱗片をつける。

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世界大百科事典 第2版の解説

ツチトリモチ【Balanophora japonica Makino】

完全寄生するツチトリモチ科の植物(イラスト)。常緑のハイノキ属の根に接着する塊状茎から,赤色で楕円形の花穂をもつ花茎を出す。その花穂の表面は粒状の棍状体の集合であるが,棍状体の基部には微小な子房が密生している。これは雌花の退化したもので,子房中には1個の胚珠があり,単為生殖種子ができる。微細な種子は少数細胞の胚乳と,単細胞で代表される胚からなる。花穂上には雄花は全くない。完熟した種子は寄主の細い根に接着して小塊状となり,10年くらいを経て塊状部がこぶし大になるとその中に花茎を生じ,花茎は塊状茎を破って現れる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ツチトリモチ
つちとりもち / 土鳥黐
[学]Balanophora japonica Makino

ツチトリモチ科の多年生寄生植物。地下茎は塊状で径2~3センチメートル、茶褐色で白色の皮目状の隆点がある。花茎は丸く、直立し、花序を含めて高さ5~10センチメートルで、褐赤色の鱗片(りんぺん)葉を密に互生する。鱗片葉はやや直立し、肉質で広卵形または長楕円(ちょうだえん)形。10~12月、単一で肥厚な狭卵形またはやや卵形の肉穂花序を頂生する。花序は橙赤(とうせき)色、長さ3~6センチメートル、径2~3センチメートル、表面に微細な黄色の雌花のみを密生する。しかし雌花は、卵円形の小球体に覆われるため、外からは見えない。子房は有柄で楕円形、小形で上端に線形の花柱がある。雌雄異株であるが、雄株はいまだ発見されていない。山林内でハイノキ、クロキなどの根に寄生し、紀伊半島、四国、九州、奄美(あまみ)大島などの暖帯に分布する。名は、地下茎からとりもちをつくることに由来する。また、肉穂花序を坊主頭に見立て、山中に生えることから、ヤマデラボウズ(山寺坊主)の名もある。[小林純子]

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