コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

テノール テノールtenor

翻訳|tenor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

テノール
tenor

音楽用語。 (1) 最高音域の男声,およびその音域を有する声楽家。記譜は,かつてはテノール記号を用いたが,現在はト音記号により,実音は記譜より1オクターブ低い音を歌っている。 (2) 中世ルネサンス多声楽曲において,グレゴリオ聖歌,あるいはその他の楽曲構成の基礎となる旋律を保持する声部。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

テノール(〈ドイツ〉Tenor)

男声の最高音域。また、その声域の歌手。テナー。
多声部、特に四声部の楽曲で、バスより一つ上の声部。テナー
同一種の楽器で、1に対応する音域をもつもの。テナー。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

テノール

テナーともいう。音楽用語。高い音域の男声(裏声によらず自然発声),あるいはこの音域に相当する楽器(テノールトロンボーンなど)。また,4声部の楽曲では下から2番目の声部,ルネサンス期の対位法ポリフォニーの基本声部などをさす。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

テノール【tenor】

ラテン語のtenere(保つ)を語源とする音楽用語で,ラテン語ではテーノル。〈テナー〉ともいう。時代とジャンルにより主として次の五つの意味で使われる。(1)単旋聖歌の朗唱定式や詩篇唱定式において,イニティウム(始唱部)に続く主部(同一音の反復により音高を一定に保って言葉が唱えられる)を指す。(2)1250年ころから1500年ころにかけての多声音楽においては,楽曲の構造を支える基礎となる声部を意味する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

テノール【Tenor】

高い音域の男声。また、その音域の声部や歌手。テナー。
多く管楽器で、声楽のテノールに相当する音域の楽器の呼称。テナー。 「 --トロンボーン」

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

テノール
てのーる
tenor英語
Tenorドイツ語
tnorフランス語
tenoreイタリア語

音楽用語。テナーともいい、次の四つの用法がある。
(1)中世の多声楽曲のなかで上声部を支えるもっとも低い声部(定旋律。ラテン語でcontus firmus)。この声部は、一般に長い保持音から構成されていたため、「保持する」の意のテネーレtenere(ラテン語)に由来するテーノルの語があてられた。その後、テーノルより低い声部にバス声部が加えられ、テーノルは下から2番目の声部となる。バロック以降、テーノルは現在のようにテノールとよばれ、四声体の合唱曲における下から2番目の声部をさすようになった。
(2)男声のなかでもっとも高い声域。その音域は一般にC3-A4であるが、オペラの独唱などの場合、しばしばC5まで要求される。さらに、オペラのテノールの場合、声質によって、優美で甘い声のテノーレ・リリコtenore lirico(イタリア語)や、輝かしく力強い声のヘルデン・テノールHelden Tenor(ドイツ語)などに分類される。
(3)テノール声部のために使用される音部記号をテノール記号tenor clef(英語)という。これはハ音記号であり、五線譜の第四線をC4と定めたものである。
(4)多種の大きさがある同族楽器のなかで、テノールの声域と同じ音域をもつものに、テノール・リコーダーやテノール・サックスのようにテノールの語がつけられる。[黒坂俊昭]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

テノールの関連情報