テマ(英語表記)thema

デジタル大辞泉 「テマ」の意味・読み・例文・類語

テマ(Tema)

ガーナ南東部の港湾都市ギニア湾に面する。首都アクラの東約25キロメートルに位置する。1962年に港湾が整備され、アフリカ最大級の人工港となった。ボルタ湖アコソンボダムから供給される電力により、アルミニウム精錬が行われる。同国随一の工業都市として発展テーマ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「テマ」の意味・わかりやすい解説

テマ
thema

中期ビザンティン帝国の軍制ならびに地方行政組織。最初,属州に駐屯した軍団を指し,続いて駐屯が行われた属州の地方行政一般をも軍団司令官(ストラテゴスstratēgos)が兼掌するにいたったところから,その行政管轄下にある属州そのものを意味するにいたり,小アジア(アナトリア)から始まったテマ制が完成の域に達した9世紀末,全領土は,小アジアで14,バルカンシチリア,南イタリアで12,クリミア半島南部で1のテマから成っていた。以後,征服地の拡大に伴ってテマが新設された。テマ制の起源をめぐっては,(1)ローマ帝国からの連続説,(2)対ペルシア戦争に際してのヘラクレイオス帝の創始説,(3)アラブの小アジア侵入への対抗措置として7世紀後半に漸次成立したとの説,がある。現在では(3)が有力で,それによれば,この時代のアラブの繰り返しての小アジア内部への侵入で生死の関頭に立たされたビザンティン帝国が,国境線での防衛一般を断念し,コンスタンティノープルを中心とする中枢部を守り抜くため軍団を小アジア全域に配置した。その際ディオクレティアヌス帝,コンスタンティヌス帝以来の軍民両政分離の大原則を放棄し,そこから当然予測される中央政府に対する革命の危険を冒して軍団司令官に大幅な独断専行権を与えることによってつくりあげたビザンティン帝国側の抵抗組織が,テマ制にほかならなかった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テマ」の意味・わかりやすい解説

テマ
Tema

ガーナ南東部,ギニア湾にのぞむ港湾都市。アクラ東北東約 25kmに位置。ボルタ川開発計画の一環として開発された港は 2km2水域を擁するアフリカ最大の人工港で,1962年完成。 5km近くの防波堤,12の深水停泊所,石油タンカー専用埠頭などがあり,1万 4000tの船舶が入港できる。鉄道と道路がアクラを経て北上,ボルタ川開発計画地と結ばれ,またクマシを経て西行,アワソなどボーキサイト鉱山と結ばれる。港はカカオの積出港。町は工業団地と住宅から成る計画都市で,アルミニウム精錬,石油精製,自動車組立て,化学薬品,カカオ加工などの工場がある。人口 10万 9975 (1988推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テマ」の意味・わかりやすい解説

テマ
てま
Tema

西アフリカ、ガーナ南東部の港湾都市。人口22万5900(2001推計)。首都アクラの東北東27キロメートルに位置し、ギニア湾に臨む。1962年に開港したアフリカ最大の人工港がある。防波堤は5キロメートルに及び、12隻を収容する係船施設、タンカー用係船施設、ドックをもち、冷凍施設、水揚げ施設を備えた漁港が隣接している。また工業・住宅用都市としてテマ開発公社が開発にあたり、アルミ・化学工場、精油所、植物油精製工場、自動車組立て工場などがあり、ガーナの工業化の拠点となっている。アクラから鉄道が通じる。

[中村弘光]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「テマ」の意味・わかりやすい解説

テマ

中期ビザンティン帝国の軍政および属州行政組織。軍管区制と訳。7世紀以降,外民族の圧迫に対処するため,属州各地の軍団の司令官が管轄地の民政をも兼ねた制度とされる。11世紀まで属州行政の単位であった。
→関連項目ビザンティン帝国

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のテマの言及

【ビザンティン帝国】より

… 古代ローマ帝国から受け継がれた国家行政機構(その起源は,共和政の共同体的役職(マギストラトゥス)よりは,元首政下で皇帝がつくりあげた家産的な役職に発する)は,時代の変化に柔軟に順応した。その代表的事例がテマ制である。ディオクレティアヌス帝は,属州駐屯の諸軍団が相次いで革命を起こし,それぞれの司令官を皇帝に推戴した3世紀の教訓にかんがみて,軍民両政を分離するとともに,従来の属州単位を細分化した。…

※「テマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android