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ディオスクロイ

世界大百科事典 第2版の解説

ディオスクロイ【Dioskouroi】

ギリシア神話の双子の兄弟,カストルKastōrとポリュデウケスPolydeukēs(ラテン語ではポルクスPollux)のこと。しばしば兄弟愛の典型とされる。スパルタ王テュンダレオスTyndareōsの妃レダの子で,ヘレネ,クリュタイムネストラの兄弟。父に関しては,ゼウス(ディオスクロイとは〈ゼウスの息子たち〉の意)とも,テュンダレオスとも,あるいはまた,白鳥の姿に変じたゼウスがレダと交わったあと,レダは夫とも同衾したので,ゼウスの種からはポリュデウケスとヘレネが,テュンダレオスの種からはカストルとクリュタイムネストラが生まれたともされる。

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大辞林 第三版の解説

ディオスクロイ【Dioskūroi】

ギリシャ神話で双子の兄弟、カストルとポリュデウケス(ラテン語名、ポルクス)をいう。戦場や嵐の海上に出現して人々を救うと信じられた。セント-エルモの火として知られ、船乗りの守護神とされる。後、双子座の星と同一視された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ディオスクロイ

カストルとポリュデウケス」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ディオスクロイ
でぃおすくろい
Dioskuroi

ギリシア神話の双子神カストルとポリデウケスのこと。「ゼウスの息子たち」の意味であるが、母のレダがティンダレオスの妻であることから、ティンダリダイ(「ティンダレオスの子」の意)ともよばれる。母のレダが、白鳥の姿に身を変じたゼウスと交わったその同じ夜、夫のティンダレオスとも床をともにしたため、ゼウスとの間からは、ポリデウケスとヘレネが、またティンダレオスとの間からはカストルとクリタイムネストラが生まれた。カストルは死すべき身、つまり人間で、ポリデウケスは不死の身、つまり神であるとされるが、ホメロスによれば両者とも人間となっている。
 あるときディオスクロイは、イダスとリンケウスの兄弟とともに、アルカディアから分捕り品の牛を連れ出し、その分配をイダスに任せた。ところが大食漢のイダスの策略から牛を全部巻き上げられたので、彼らはメッセネまで奪い返しに行き、いったんは取り戻したがカストルはイダスに殺された。ポリデウケスはリンケウスを槍(やり)で殺すが、イダスを追跡中に彼に石を頭に投げられて倒れ、このときゼウスが雷霆(らいてい)でイダスを撃ち、ポリデウケスを天上に連れていった。ポリデウケスはカストルが死者となっている限り自分の不死を受けることを拒絶したため、ゼウスは2人に1日交替に神々と人間の間にいることを許した。つまりポリデウケスの不死を2人で分かち合うことにしたのである。一説ではゼウスは両者を天上に連れていき、冬の夜空を飾る星座に加えたという。これがふたご座Geminiである。さらに彼らは航海の守護神となったが、暴風雨のときに船の舳(へさき)に現れる「聖(セント)エルモの火」は、もともとディオスクロイの出現と信じられていたようである。[伊藤照夫]

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世界大百科事典内のディオスクロイの言及

【双子】より

…(5)2=(1+x)×p(xは目に見えない存在) 一人の人間を実は双子の一方とみなす。【長島 信弘】
[西洋]
 西洋でも,ギリシア神話のディオスクロイ(カストルとポリュデウケス),ローマ伝説のロムルスとレムス,旧約聖書のエサウとヤコブの物語など,双子が登場する多くの伝承が伝えられている。そして上記の後2者の場合のように,しばしば兄弟間の対立と抗争ののち,一方による他方の殺害や権力の奪取という結果を迎えるが,このような筋立ては双子に限らなければさらにその例は多くなる。…

【レダ】より

…白鳥の姿に変じて言い寄ったゼウスと交わったあと,夫とも同衾したレダは,1個または2個の卵を産み,その卵からゼウスの種としてヘレネとポリュデウケスが,テュンダレオスの種としてクリュタイムネストラとカストルが生まれたという。ただし,カストルの父親もゼウスである(ポリュデウケスとカストルの2人は一般にディオスクロイ(ゼウスの息子たち)と呼ばれる)とか,クリュタイムネストラだけは普通に生まれたとか,またヘレネの実の母親は復讐の女神ネメシスで,鵞鳥の姿に変じた彼女が白鳥姿のゼウスと交わって卵を産み,それをレダがかえして,生まれたヘレネをみずからの娘として育てたとかの異伝が多い。レダと白鳥の姿で求愛するゼウスは,古来,画家が好んで取り上げる主題であった。…

※「ディオスクロイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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