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デデキント Dedekind, Julius Wilhelm Richard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

デデキント
Dedekind, Julius Wilhelm Richard

[生]1831.10.6. ブラウンシュワイク
[没]1916.2.12. ブラウンシュワイク
ドイツの数学者。カロリン高等学校 (1848~50) を経て,ゲッティンゲン大学に入り (50) ,C.ガウスの指導を受けた。ゲッティンゲン大学の私講師 (54) ,チューリヒのスイス連邦工科大学教授 (58) 。 1862年からブラウンシュワイク工科大学の教授となる。同時代の数学者から孤立した立場にあったが,G.カントルとの交際は長く続いて,当時の学者にほとんど理解されなかったカントルの集合論の価値を認め,何度も激励の手紙を書いた。おもな業績は,「切断」の概念を導入して無理数を定義し,これによって実数の完全な定義にいたる道を開いたことと,「イデアル」の概念を導入して代数的数に関する理論の発展に貢献したことである。また双対群についての研究 (97,1900) は,1933年以降に発展したの現代的理論のさきがけともいうべきものである。主に『連続性と無理数』 (1872) ,『代数的数の理論』 (79) ,『数とは何であり,また何であるべきか』 (88) などがある。

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百科事典マイペディアの解説

デデキント

ドイツの数学者。ゲッティンゲン大学でガウスディリクレに学び,1862年ブラウンシュワイク工科大学教授。代数的整数論にイデアルの概念を導入,抽象代数学への端緒を開き,《連続と無理数》(1872年)でデデキントの切断により無理数を定義,代数関数・自然数を研究,また《数とは何であり何であるべきか》(1888年)でカントールの集合論を支持し,公理論的集合論への転換を示唆。
→関連項目整数論

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世界大百科事典 第2版の解説

デデキント【Julius Wilhelm Richard Dedekind】

1831‐1916
ドイツの数学者。ブラウンシュワイクで法律学者の子として生まれた。ゲッティンゲン大学に学び,1852年にオイラー積分に関する論文で学位を得た。58年にチューリヒ工科大学教授,62年にはブラウンシュワイク工科大学教授となり,84歳でこの地で没した。P.G.L.ディリクレの影響の下に整数論の研究を始めたデデキントは,E.E.クンマーの理想数の考えを発展させて,イデアルの理論を構成した。この理論は,整数論,代数学の基礎となった。

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大辞林 第三版の解説

デデキント【Julius Wilhelm Richard Dedekind】

1831~1916) ドイツの数学者。「切断」の概念を用いて無理数を定義し、実数の概念を明確にして解析学を基礎づけた。また、クンマーの理想数を整理して、代数学のイデアル論を創始。代数体のゼータ関数、代数関数論、自然数論などにも業績を残す。著「数とは何か、何であるべきか」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デデキント
でできんと

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世界大百科事典内のデデキントの言及

【イデアル】より

…そこで,E.E.クンマーは,“理想数”の概念を導入し,整数のかわりに,理想数を用いると,代数的整数の場合にも,素数の積による因数分解と並行した理論が展開できることを示した。その後,J.W.デデキントは,理想数を考えることが,次の2条件を満たす部分集合を考えることと同等であることを示し,それら部分集合を,理想数にちなみイデアルIdeal(理想)と名づけた。 考えている代数体に含まれる代数的整数全体をAで表すことにする。…

【実関数論】より

… リーマンは現在のいわゆるリーマン積分の基礎を築いたが,19世紀の後半に至って微積分学の方法がさらに反省され,極限演算の場としての実数の概念をいっそう明確にすることが必要となって,無理数論が生まれた。J.W.R.デデキントとカントルの論文(いずれも1872),K.ワイヤーシュトラスのベルリン大学における講義は,互いに独立に無理数の理論を創設したものであるが,それらは互いに同値な理論である。無理数論の確立により,微積分学は初めて現代の厳密さに到達できたといえる。…

【数学】より

…ヒルベルトはさらに実数を用いて(A,E)の諸命題が成り立つモデルをつくり,(A,E)の無矛盾性を示した。実数論については《ストイケイア》第5巻にもすでに述べられているが,それを完成したのも19世紀の数学者K.ワイヤーシュトラス,R.デデキント,G.カントルらの業績であった。実数論は,彼らによって自然数論に帰着されたが,デデキントやG.ペアノは,集合と写像の考えを用いて自然数論を公理的に構成した。…

【数学基礎論】より

…カントルの集合論はきわめて有力な数学理論であるのみならず,数学全般にわたる基礎的理論であることがしだいに認められるようになり,自然数論や実数論,ひいては解析学,代数学,幾何学など数学における各理論を集合論の中で展開することが原理的に可能であることがわかってきた。J.W.デデキントは,実際に,集合概念と1対1対応の概念とから自然数の体系を作れることを示し(1888),さかのぼって実数を有理数(有理数の体系は自然数の拡張として容易に構成できる)の集合A,Bの組(A,B)として定義し(1872),A.L.コーシーやK.ワイヤーシュトラスと並んで,それまで直観的にしか把握されていなかった実数の概念,ひいては解析学に厳密な基礎を与えた。集合論に現れた逆理は,H.ワイルによれば,〈数学の王国のごく辺境に生じた紛争にすぎず,王国の大部分はなお安寧であるとみられるかも知れない〉が事態は決してそのようなものではなく,数学における集合論の影響があまりにも大きいがゆえに,それは〈この王国の基盤に対する内的な支えを失わしめるもの〉であると認識された。…

【切断】より

…実数の全体のなす集合に対しても切断が定義できるが,このときは(1)または(2)の場合しか起こらない。J.W.R.デデキントはQの切断を使って実数を定義した。上の(1)の場合は切断(A1,A2)は有理数aを定め,(2)の場合は有理数bを定め,(3)の場合は無理数αを定める。…

【体】より

…このような体系が意識されるようになったのは,方程式の代数的解法の研究に伴って,一つの代数方程式の根の全体,または一部についての整式で表される数の体系が扱われるようになったことによる(ガロアの理論)。やがてJ.W.R.デデキントが体の概念を定義し,ガロア群を根の置換としてでなく,体の自己同型として考察した。L.クロネッカーは体Kの有限次代数拡大体を,多項式環K[x]の既約多項式f(x)によって,剰余類環K[x]/f(x)K[x]の形で与える考えを導入した。…

※「デデキント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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