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トランスフォーム断層 トランスフォームだんそうtransform fault

翻訳|transform fault

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トランスフォーム断層
トランスフォームだんそう
transform fault

地球表面をおおうプレート同士が横ずれしてすれちがう境界。プレートの相対的運動には互いに近づく (収束境界) ,離れる (発散境界) ,すれちがう (横ずれ境界) という3種の形式がある。そして,ある発散境界から別の発散境界へと,あるいは沈み込み帯のような収束境界から発散境界へと,プレート境界を変容 (トランスフォーム) させる断層をトランスフォーム断層と呼ぶ。北米西岸のサンアンドレアス断層は,東太平洋海膨とゴルダ海嶺の間のトランスフォーム断層である。

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知恵蔵の解説

トランスフォーム断層

大規模な横ずれ断層のうち、延長部が、海嶺の拡大軸や島弧・陸弧の沈み込み帯に形を変えるもので、プレート境界の一形態。中央海嶺を横切る多くの断層として見られる。実際にずれ動くのは、海嶺と海嶺の間だけ。北米西海岸のサンアンドレアス断層は、陸上で見られる例。

(斎藤靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館館長 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

トランスフォーム‐だんそう【トランスフォーム断層】

transform fault》中央海嶺をところどころでほぼ直角に横切る断層。ずれ動くのは位置のずれた海嶺軸の間だけで、その外側では海底が同方向にずれているので、ずれは生じない。プレート境界の一。

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百科事典マイペディアの解説

トランスフォーム断層【トランスフォームだんそう】

大洋中央海嶺など海底の大きな構造を横断している断層群。海洋底の海嶺軸に平行な縞状磁気異常がこの断層部分でずれている。ずれている部分は横ずれ断層であり,海嶺軸付近で湧き出した海洋プレートが,左右両側に水平移動するのに従い形成したと解釈されている。
→関連項目サン・アンドレアス断層プレートテクトニクス北米プレート

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世界大百科事典 第2版の解説

トランスフォームだんそう【トランスフォーム断層 transform fault】

二つのプレートがその境界に沿って相互に横にずれ動く時に生成される断層(図)。海洋底拡大説の中からまったく新しく誕生した概念で,カナダウィルソンJ.Tuzo Wilson(1908‐93)によって1965年にはじめて提案された。トランスフォームとは一つの収束型または発散型のプレート境界(それぞれ海溝(T)と中央海嶺(R)に対応する)から別のプレート境界へ置き換える,または変換するという意味で,R‐R型,R‐T型,T‐T型のトランスフォーム断層が存在するが,海嶺と海嶺をずらしてつなぐR‐R型が最も数が多い。

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大辞林 第三版の解説

トランスフォームだんそう【トランスフォーム断層】

互いに逆方向に動くプレートの、すれ違い境界を構成する断層。大洋中央海嶺の食い違いをつくる断裂帯にみられる。ふつう海底にあるが、米国カリフォルニア州のサンアンドレアス断層は陸地にみられる珍しい例。 → 中央海嶺プレート-テクトニクス

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トランスフォーム断層
とらんすふぉーむだんそう
transform fault

プレート境界の一つで、これに沿って横ずれ運動が生じる断層。1965年にカナダのウィルソンJ. T. Wilson(1908―1993)によって命名された。海嶺(かいれい)では新しいプレートが生産され、海溝ではプレートが沈み込んで消費される(消滅する)のだが、トランスフォーム断層は横ずれ境界のため、プレートが生産されることも消費されることもない。海嶺と海嶺を結ぶものがもっとも多いが、海嶺と海溝、海溝と海溝を結ぶものも知られている。海嶺と海嶺を結ぶトランスフォーム断層は大西洋中央海嶺などで多くみられる。
 海嶺を見かけ上、右ずれになるようにずらしているとき、トランスフォーム断層では左横ずれ運動が生じており、左横ずれに起因する地震が発生する。トランスフォーム断層は、通常の横ずれ断層とは異なり、断層のどの部分でも変位量は一定であり、その両側の海嶺の位置で突如、断層が消滅する。これは、海嶺を過ぎると両側のブロックで相対運動がなくなるためである。相対運動がなくなった部分は、断層破砕があるため断裂帯(フラクチャーゾーンfracture zone)とよばれるが、断層としては活動しないため地震は発生しない。また、トランスフォーム断層では、断層の長さよりも変位量が大きくなることがおこりうる。トランスフォーム断層に沿って急峻(きゅうしゅん)な海底谷(こく)が走っていることが多く、谷壁には海洋地殻深部の斑糲(はんれい)岩、超塩基性岩などが露出している。北アメリカ西海岸のサンアンドレアス断層は、海嶺と海嶺とを結ぶトランスフォーム断層が陸上に現れている例とされている。[村田明広]

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世界大百科事典内のトランスフォーム断層の言及

【海底地形】より

… すれ違うプレート境界ではプレートの生産も消費も起こらず,両側のプレートがこすれ合って地震帯が生じる。これがトランスフォーム断層で,その端はどこかで中央海嶺や海溝などの他のプレート境界とつながっている。海嶺と海嶺をつなぐトランスフォーム断層は中央海嶺に普遍的にみられる。…

【地震】より

…(3)二つのプレートが水平にすれ違って動いている境界。この境界面をトランスフォーム断層という。北米西岸のカリフォルニア州を縦走するサン・アンドレアス断層はこの例である。…

※「トランスフォーム断層」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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