トリコマイシン(読み)とりこまいしん(その他表記)trichomycin

デジタル大辞泉 「トリコマイシン」の意味・読み・例文・類語

トリコマイシン(trichomycin)

八丈島土壌から発見された放線菌の産生する抗生物質真菌トリコモナスなどに有効。

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精選版 日本国語大辞典 「トリコマイシン」の意味・読み・例文・類語

トリコマイシン

  1. 〘 名詞 〙 ( trichomycin ) 抗カビ性抗生物質。トリコモナス(原虫)、カンジタ(真菌類)をはじめ、酵母類・白癬菌類などの発育を阻止する。昭和二七年(一九五二)に伝染病研究所細谷省吾らによって発見。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリコマイシン」の意味・わかりやすい解説

トリコマイシン
とりこまいしん
trichomycin

ポリエン系抗生物質、抗真菌剤。細谷省吾(ほそやしょうご)らにより1952年(昭和27)八丈島の宇喜多秀家(うきたひでいえ)の墓所の土壌から分離された放線菌の培養菌体から発見された。トリコモナス腟炎(ちつえん)、腟カンジダ症に腟錠として用いられ、軟膏(なんこう)は白癬(はくせん)菌症、真菌性およびトリコモナス性皮膚炎の治療に用いられる。

[幸保文治]

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百科事典マイペディア 「トリコマイシン」の意味・わかりやすい解説

トリコマイシン

抗カビ性抗生物質。放線菌の一種が産生。原虫,真菌類などの細胞質膜に対して障害を与える。水虫たむしなどの白癬(はくせん)菌感染症,腸カンジダ症口腔および咽喉頭(いんこうとう)カンジダ症,尿道・腟(ちつ)カンジダ症,トリコモナス腟炎,トリコモナス性膀胱(ぼうこう)炎などに軟膏,座薬として適用。→カンジダ
→関連項目肺カンジダ症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリコマイシン」の意味・わかりやすい解説

トリコマイシン
trichomycin

放線菌の一種 Streptomyces hachijoensisの菌体から抽出される抗生物質の一つ。黄色の粉末融点 155℃。カビ,原虫類に有効で,腟坐薬,軟膏,内服薬として用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のトリコマイシンの言及

【抗生物質】より

…耐性機構に基づいて有効な物質を得る方法論を築いたといえる。 抗カビ抗生物質としては,ナイスタチン(1950),トリコマイシン(1951)などをはじめとして,いくつもの抗生物質が見いだされているが,毒性が高く,ほとんどが外用に限られる。抗ウイルス抗生物質も探索されているが,まだ有効なものは見いだされていない。…

※「トリコマイシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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