六訂版 家庭医学大全科 「腟カンジダ症」の解説
腟カンジダ症
ちつカンジダしょう
Vaginal candidiasis
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
生殖年齢にある女性では卵巣機能が活発で、エストロゲン(女性ホルモン)の作用により、多量のグリコーゲンを含んだ
腟内にはデーデルライン
腟カンジダ症は、やはり腟に常在しているカンジダという真菌が異常増殖して発症する病気です。その誘因としては、エストロゲン分泌亢進による、腟内㏗の低下に伴う細菌
腟カンジダ症は、
症状の現れ方
外陰部に
カンジダに感染していても症状のないこともあり、通常は症状がある場合に治療を行います。
検査と診断
前記の症状と、帯下の所見、菌の検出により診断します。菌の検出には直接、帯下を顕微鏡で観察し、菌体を検出する方法(鏡検)と、帯下を培養する方法があります。培養法のほうが鏡検より検出率はよくなります。
治療の方法
抗真菌薬配合の腟錠を使用し、同時に軟膏やクリームを外陰部に塗ります。ステロイド軟膏の使用は禁忌です。薬剤は一般的に、イミダゾール系(アデスタンG300、オキナゾールV600など)を1週間程度使用し、効果が不十分な場合は、さらに1週間使用します。
難治性の場合は、原因の検索を行い、経口薬の投与も行うことがあります。ただし妊婦の場合、経口薬は使用しません。
病気に気づいたらどうする
前記の症状が現れたら、産婦人科を受診してください。また、妊娠中は子宮内感染や産道感染の予防のため、妊娠13週以降から治療を行います。
藤原 敏博
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報