腟カンジダ症(読み)ちつかんじだしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「腟カンジダ症」の意味・わかりやすい解説

腟カンジダ症
ちつかんじだしょう

カンジダ腟炎ともいい、真菌(カビ)の一種であるカンジダによる腟炎で、産婦人科領域における真菌症の一つ。しばしば外陰症状を伴い、外陰腟真菌症(外陰腟カンジダ症)の病態を示すことが多い。慢性化すると腟の症状が軽くなり、外陰の症状が主となってくる。性行為感染症の一つとしてみられるほか、真菌の菌交代症、あるいは日和見(ひよりみ)感染によるものがある。

 症状としては、外陰掻痒(そうよう)感が強く、帯下(たいげ)感を欠くこともある。帯下(おりもの)は酒粕(さけかす)様、チーズ様で、腟トリコモナス症のように液状となることはない。妊娠、糖尿病、長期間の抗生物質剤の投与経口避妊薬の使用などにより腟内環境がカンジダの増殖に適した状態になると発症するので、これは診断の参考になる。治療には抗真菌剤を用いる。

[新井正夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腟カンジダ症」の意味・わかりやすい解説

腟カンジダ症
ちつカンジダしょう

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