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トルバドゥール トルバドゥール troubadours

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トルバドゥール
トルバドゥール
troubadours

フランス吟遊詩人の総称。 11世紀末から 13世紀末にかけて,オック語による抒情詩を残した。吟遊詩人は,元来ローマ時代の軽業,ものまねなどの芸人の系統をひく職業人 (ジョングルール ) であるが,隆盛時には国王,諸侯から一般大衆に及び,庇護者を求めて城を訪れ,競詩会に参加した。

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デジタル大辞泉の解説

トルバドゥール(〈フランス〉troubadour)

中世の南フランスにおいて、オック語で高貴な婦人への憧れや恋心を歌った宮廷詩人兼作曲家の総称。北フランスのトルベールドイツミンネゼンガーとともに吟遊詩人に発展した。

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百科事典マイペディアの解説

トルバドゥール

12―13世紀南仏の抒情詩人をいう。ジョングルールの後身の吟遊詩人で,宮廷を巡り,オック語ラングドック)を用いて貴婦人と恋愛を賛美した。王,貴族の詩人もこう呼ばれた。
→関連項目アルビジョア十字軍プロバンスプロバンス語ミンストレルミンネゼンガーラングドックリムーザン

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世界大百科事典 第2版の解説

トルバドゥール【troubadour[フランス]】

11世紀末から13世紀末にかけて,オック語(南フランス)の作品を創り出した詩人兼作曲家の総称。オック語でトロバドールtrobador。trobar(新しいもの(詩,曲)を作る)の派生語である。現在わかっている最古のトルバドゥールは,国王よりも広大な領地の宗主アキテーヌ公9世,ポアティエ伯7世のギヨームである。王侯,領主,司教,高位聖職者から庶民にいたるまで,トルバドゥールの出身社会層は多岐にわたるが,彼らは本質的に宮廷芸術家,それも創作家であって,社会的評価が低い旅芸人,それも演奏家のジョングルールとは原則的に区別されねばならない。

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大辞林 第三版の解説

トルバドゥール【troubadour】

中世ヨーロッパ、特に南フランスにおいてオック語で「至純の愛」を歌った宮廷詩人兼作曲家の総称。北フランスのトルベール、イタリアのダンテ、ドイツのミンネゼンガーに影響を与えた。 〔トルバドゥールを吟遊ぎんゆう詩人と呼ぶのは誤り〕

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世界大百科事典内のトルバドゥールの言及

【ギヨーム[9世]】より

…しかし武人,政治家としての手腕は必ずしも芳しくなく,素行不良のかどで教皇から何度も破門処分にあうが,天才的詩人であった。現存11編の詩のうち,約半数は奔放ときに好色だが,残る半数は,すぐれた貴婦人に対する愛を歌い,トルバドゥールの始祖とされている。アリエノール・ダキテーヌは孫娘。…

【作法】より

…作法書というよりも生活指導書とでも呼ぶべきものが生み出されるゆえんであった。 オック語の世界では,トルバドゥールがEnsenhamen(〈教訓〉〈芸訓〉の意)の名で総称される詩のジャンルで,それぞれの社会階層でよい評判を得るための行動規範や,事をなすに当たっての慎重な配慮を強調する(アルノー・ド・マルイユ,ソルデル)。しかしながら,教育効果の最も期待できるのは若者(とりわけ騎士志願の)であるから,彼らを対象とした作品がつくられる。…

【詩】より

…古いものでは8世紀ごろ成立したイギリスの《ベーオウルフ》があり,北欧の〈エッダ〉と〈サガ〉,ドイツの《ニーベルンゲンの歌》などのゲルマン色の濃いものや,おそらくケルト系のアーサー王伝説群,それに,キリスト教徒の武勲詩の性格をもつフランスの《ローランの歌》,スペインの《わがシッドの歌》などが,いずれも12,13世紀ごろまでに成立する。抒情詩としては12世紀ごろから南仏で活動したトルバドゥールと呼ばれる詩人たちの恋愛歌や物語歌がジョングルールという芸人たちによって歌われ,北仏のトルベール,ドイツのミンネゼンガーなどに伝わって,貴族階級による優雅な宮廷抒情詩の流れを生むが,他方には舞踏歌,牧歌,お針歌などの形で奔放な生活感情を歌った民衆歌謡の流れがあり,これがリュトブフ(13世紀)の嘆き節を経て,中世最後の詩人といわれるフランソア・ビヨン(15世紀)につらなる。ほぼ同じ時期に最後の宮廷詩人シャルル・ドルレアンもいて,ともにバラードやロンドーといった定型詩の代表作を残した。…

【ジョングルール】より

…旋律を伴った作品の場合は,楽器の演奏も彼らが担当する。トルバドゥールトルベールが宮廷芸術家,創作家であるのに対し,ジョングルールは演奏家であった(よく用いられる吟遊詩人というあいまいな呼称は,旅芸人である後者にむしろふさわしい)。ただし,両者の区別はあくまで原則的なものにとどまる。…

【旅】より

…二・三男ともなれば相続の可能性はまったくないから,なおさら放浪の旅に出て所領と妻を探すしか自分の運命を開拓する可能性はなかった。こうして14,15歳から25~30歳くらいの青年たちが,西欧のいたるところで放浪の生活を送っていたのであり,トルバドゥールの歌はまさにこれらの青年たちの運命を歌ったものなのである。結婚し,一家をかまえたとき彼らの旅の生活は終わる。…

【中世音楽】より

…残された歌はすべて単旋歌であるが,歌唱に際しては,多くの場合,楽器がなんらかの役割を果たしていたことだろう。これらの歌は,いずれも,トルバドゥールのフーケ・ド・マルセーユ(フォルケ・ド・マルセリャ)が言い表したように,〈歌われない詩は,水の流れていない水車のようなものだ〉という考え方に基づいていた。詩の形式の一つにカンソcanso(歌)と呼ばれるものがあったが,日本の短歌が歌と呼ばれるのと一脈あい通じるところがある。…

【バラード】より

…中世ラテン語のバラーレballare(踊る)に由来することが示すように,元来は南仏プロバンスに起源をもちロマンス語圏に広まった舞踏歌,すなわち輪舞の際に踊り手自身によって歌われたリフレインつきの有節歌謡をさした(プロバンス語ballada,イタリア語ballata)。これが吟遊詩人トルバドゥールによって芸術的に洗練され,14世紀に北フランスで厳格な形式をそなえた抒情詩の一形態となった。それは典型的には,8音綴詩句8行または10音綴詩句10行から成る同じ構造の3詩節(couplets)にその半分の行数の1反歌(envoi)がついたもので,各詩節および反歌の最終行は同一詩句のくりかえし(リフレイン)であり,各詩節の脚韻の踏み方は同一(8行では3種,10行では4種)で,反歌の脚韻は詩節後半のそれと同じである。…

【フランス音楽】より

…11世紀以降,国語によるといえる世俗音楽の二つのジャンルが発展する。一つは武勲詩,もう一つは南フランスのトルバドゥールによるオック語の歌である。後者は13世紀になると北のトルベールによるオイル語の歌にとってかわられる。…

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