トルバルセン(英語表記)Bertel Thorvaldsen

デジタル大辞泉 「トルバルセン」の意味・読み・例文・類語

トルバルセン(Bertel Thorvaldsen)

[1770~1844]デンマーク彫刻家。主にローマ活躍カノーバと並ぶ新古典主義代表者。作「キリスト像」など。

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精選版 日本国語大辞典 「トルバルセン」の意味・読み・例文・類語

トルバルセン

(Bertel Thorvaldsen ベルテル━) デンマークの彫刻家。古典的様式にのっとり、端正な技法ギリシア神話に多く題材をとる。代表作ガニメデス」「キリスト十二使徒」(一七六八頃‐一八四四

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改訂新版 世界大百科事典 「トルバルセン」の意味・わかりやすい解説

トルバルセン
Bertel Thorvaldsen
生没年:1768か70-1844

デンマーク出身の彫刻家。生地コペンハーゲンアカデミーに学び,奨学金を得て,1797年ローマに赴き,中断はあるが晩年に至るまで,そこに暮らす。ローマでA.J.カルステンスおよび古代研究家ツォエガGeorg Zoëgaから古代美術について深く教えを受け,またカノーバに刺激されて新古典主義に向かう。古典風よりはヘレニズム風に近い典雅で端整な理想美を刻んで,国際的名声を博す。1819年に一時帰国し,大工房を率いて精力的に制作。祖国にも古典的主題の作品のほか宗教・肖像彫刻墓碑,記念像を残す。38年国家的英雄としてローマより帰国,自作品専用の美術館を贈られた。
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百科事典マイペディア 「トルバルセン」の意味・わかりやすい解説

トルバルセン

カノーバとともに新古典主義彫刻家の双璧(そうへき)とされるデンマークの彫刻家。コペンハーゲン生れ。1797年ローマに遊学生涯大半を同地で過ごした。古代芸術に心酔して,着想モティーフとも古代芸術に範を求め,厳粛な倫理性と気高い静けさとを特色とする肖像や宗教的作品を多く残した。代表作は《キリスト像》(1839年,コペンハーゲン,聖母聖堂蔵),《ガニュメデスとユピテルの鷲》(1817年,コペンハーゲン,トルバルセン美術館蔵)など。
→関連項目ニールセン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トルバルセン」の意味・わかりやすい解説

トルバルセン
とるばるせん
Bertel Thorvaldsen
(1768―1844)

デンマークの彫刻家。コペンハーゲンに生まれ、同地の美術アカデミーに学ぶ。スウェーデンの彫刻家セルゲルに認められ、30歳のときローマに留学し、以後40年間その地で制作した。大理石のもつ冷ややかな夢幻性を精巧な技術で刻み、新古典主義の代表的な彫刻家として、カノーバとともに19世紀前半の芸術界を風靡(ふうび)した。1812年に予定されていたナポレオン1世のローマ訪問にあわせて制作した35メートルに及ぶ彫刻壁『アレクサンダー大帝』によって、浮彫りの名手ともたたえられた。ギリシア神話を主題とした代表作『ガニメデス』をはじめ多数の作品が、コペンハーゲンのトルバルセン美術館に収蔵されている。肖像彫刻にも優れ、ポーランドの『コペルニクス像』など、作品はヨーロッパ全土に散在している。

[三田村畯右]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルバルセン」の意味・わかりやすい解説

トルバルセン
Thorvaldsen (Thorwaldsen), Bertel

[生]1768.11.13. /1770.11.19. コペンハーゲン
[没]1844.3.24. コペンハーゲン
デンマークの彫刻家。 A.カノーバとともに新古典主義彫刻家の双璧とされる。木彫職人の子でコペンハーゲンの王立アカデミーに学び,1797年国費でローマ留学,1838年まで同地にとどまった。 03年イギリス人の注文により制作した『ヤーソン像』がカノーバに高く評価され,国際的名声を得る。古代ギリシア彫刻に心酔し,テーマをギリシア神話や聖書に多く求め,『ガニュメデス』 (1804) ,『キリストと十二使徒』 (38) など多数の作品を制作,現在その多くは生地のトルバルセン美術館に収集されている。

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世界大百科事典(旧版)内のトルバルセンの言及

【デンマーク】より

… デンマークの美術学校は,フランスの彫刻家サリーを校長に迎えて1754年に開校し,デンマーク美術のその後の発達の担い手になった。国際的な名声を得た最初のデンマーク人美術家は彫刻のトルバルセンで,彼は長期間ローマで制作し,新古典主義の作品を多数残した。同時代の絵画では肖像画のユールJens Juel(1745‐1802),静物画のアビルゴールが重要である。…

※「トルバルセン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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