ノック(その他表記)knock

翻訳|knock

デジタル大辞泉 「ノック」の意味・読み・例文・類語

ノック(knock)

[名](スル)
打つこと。たたくこと。強くなぐりつけることにも、軽くこつんと打つことにもいう。「ノックダウン」「ノックボールペン」
訪問入室を知らせる合図に、戸を軽くたたくこと。「扉をノックする」
野球で、守備練習のため、野手に向けてボールを打つこと。「シートノック
ノッキング」に同じ。「ノック音」

ノック(Knock)

アイルランド西部、メイヨー州の村。1879年、村の教会聖母マリアと夫ヨセフ、使徒ヨハネが降臨したという「ノックの奇跡」の地。毎年100万人ものカトリック教徒が訪れるヨーロッパ屈指の巡礼地として知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「ノック」の意味・読み・例文・類語

ノック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] knock )
  2. たたくこと。打つこと。また、特に、入室の許可を求めて戸を軽くたたくこと。
    1. [初出の実例]「コツコツ廊下から剥啄(ノック)をした者がある」(出典婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
  3. ノッキング
    1. [初出の実例]「ときどきエンジンの力がぬけ、すると、妙な音を立てて、ノックした」(出典:若いセールスマンの恋(1954)〈舟橋聖一〉八)
  4. 野球で、自分でボールを軽くほうり投げ、自分で打つこと。また、守備の捕球練習のために、野手にボールを打ってやること。〔新式ベースボール術(1898)〕

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デジタル大辞泉プラス 「ノック」の解説

ノック

日本の演劇作品。企画:寺山修司構成演出:岸田理生(りお)・幻一馬により、1975年、東京の高円寺、阿佐ヶ谷一帯を舞台とする市街劇として演劇実験室◎天井桟敷初演。平凡な生活に異物を持ち込み、日常への疑問符をつきつけるという意図のもと、約30時間にわたり街中で同時多発的に行われたゲリラ・パフォーマンスに対して、住民からの110番通報が相次ぐなどの騒ぎとなり、以後寺山の死に至るまで、天井桟敷は国内で市街劇を上演することができなかった。

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世界大百科事典(旧版)内のノックの言及

【ノッキング】より

…単にノックknockともいう。ガソリンエンジンなどの火花点火機関において起こる異常燃焼の一種。…

【前衛劇】より

…これらは都会の暗い密室のなかに,突如として侏儒(しゆじゆ),大女,女装者,美少年などの奇優・怪優を出現させる強く〈見世物〉的な性格を帯びた劇であったが,そのような巧みに演出された反・公的な世界,日常世界の規範によって負の価値を帯びたものとしていわれなく排除された肉体・精神が共存する〈全的な世界〉の中で,われわれの無意識下に潜むさまざまな想念が検証されるのであった。寺山の前衛の精神は,日本のこの時代においては最もラディカルなものであり,たとえば上演時間の半分近くが真っ暗闇で,観客はそれぞれの想像力によって見えない部分を組み立て演劇を作りあげるという《盲人書簡》(1973,74)や,75年の4月19日午後3時から翌20日の午後9時にいたる30時間に,都内の二十数ヵ所で同時多発的に行われセンセーションを巻き起こした市街劇《ノック》,また観客席に多数の俳優を配して観客を不意打ちすることにより,観客自身を主人公としてその存在の意味を問う《観客席》(1978)などは,怠惰に習慣化した演劇行為と演劇の場を,その根底から揺さぶる試みであった。寺山は多くの海外の演劇祭に参加して国際的な声価を高めたが,83年5月,47歳の若さで死去した。…

※「ノック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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