日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノーランド」の意味・わかりやすい解説
ノーランド
のーらんど
Kenneth Noland
(1924―2010)
アメリカの画家。カラー・フィールド・ペインティング(色彩の場の絵画)の代表作家の一人。ノース・カロライナ州アッシュビルに生まれる。ブラック・マウンテン大学でアルバース、デ・クーニングらに学ぶ。1948年ヨーロッパに赴き、パリでザッキンに師事。帰国後モリス・ルイスに会い強い影響を受け、1953年ごろからロウ・カンバス(地塗りのしてないカンバス)に絵の具をしみ込ませた絵画を制作する。1961年以降、ストライプによる同心円や山形をモチーフとしたり、広い色面に水平のストライプを並列する画面を、類似あるいは対比する色相によって描いた。その後は表現主義的な表現へ変化した。
ノーランドは、ルイスほど空間にかかわらず、ステラほど還元的ではなく、その中間に位置する画家といえる。
[藤枝晃雄]