海岸砂地に生え,美しい花の咲くバラ科の落葉低木。高さ1m内外,細いとげが生え,全体に短毛が多い。葉は羽状複葉。小葉は7~9枚,楕円形,長楕円形などで,長さ3~5cm,表面は無毛でしわがある。花は6月から8月の間に,枝先に1~3個つき,径5~10cm,香りがある。花弁は紅色でまれに白色,おしべは黄色で多数。果実は球形,8~9月ごろ赤く熟する。アジア東部の温帯と亜寒帯に広く生じ,日本では北海道に多く,南は太平洋側は茨城県,日本海側は鳥取県まで分布する。根はタンニンを含み,染料となる。花からは油をとって香料とし,また花弁を乾燥した生薬は玫瑰花(まいかいか)で,下痢止めや月経過多に用いられる。果実にはビタミンCが多く,食用になる。和名のハマナスは,浜ナシの東北なまりで,ナシに似た果実の形に由来し,ナスとは無関係である。
執筆者:山中 二男
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(2015-9-8)
…東海道舞坂宿・新居(あらい)宿間の渡船場。遠江国(静岡県)の浜名湖は,元来淡水湖で湖から遠州灘まで浜名川が流れ,そこに浜名橋が架けられていた。しかし,1498年(明応7)と1510年(永正7)の地震・津波により決壊して〈今切〉となり,交通は新居~舞坂間27町を渡し船に頼ることになった。…
…
【古代】
東海道に属する上国(《延喜式》)。国名は〈琵琶湖=近ッ淡海〉(近江)に対する〈浜名湖=遠ッ淡海〉(遠江)に由来するとされている。7世紀の中葉,遠淡海,久努,素賀の3国造の支配領域を併せて成立したものと思われる。…
※「ハマナス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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