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ハルビン

百科事典マイペディアの解説

ハルビン

中国,黒竜江省省都。漢字では哈爾浜。松花江右岸にあり,浜洲(ハルビン〜マンチュリー)・哈大(ハルビン〜大慶)・京哈(北京〜ハルビン)・浜綏(ハルビン〜綏芬河(すいふんが))・哈佳(ハルビン〜チャムス)の各鉄路が交差し,松花江水運の要衝。東北地区北部の商工業の一大中心で,製糖,醸造,製粉,化学,電機,搾油などの工業が盛ん。市街は1898年ロシアが東清鉄道の建設を始めた以降に発達した。満州事変から第2次大戦中は日本の東北地区支配の拠点であった。2013年,1909年にハルビン駅で伊藤博文を暗殺した朝鮮の独立運動家安重根にちなむ安重根記念館が開館した。記念館の建設は韓国の要請を受け中国が承認協力したもので,現在の日本が過去の日本帝国主義の侵略について正しい〈歴史認識〉を持っていないとの批判を韓国・中国が共同で世界にアピールする狙いがある。554万人(2014)。
→関連項目黒竜江[省]

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世界大百科事典 第2版の解説

ハルビン【Harbin】

中国,東北地区の黒竜江省の省都。面積6929km2(うち市部1637km2),人口531万(うち市部289万。1994)。ハルビンは満州語で〈網干し場〉の意。19世紀末までは松花江のほとりに数戸の漁家の居住が見られただけであった。1898年ロシア帝国が東清鉄道の建設基地として以来,来住者が多く,交通の要衝として,モスクワに範をとった都市化が進み,1932年には人口38万,42年には75万人に達した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハルビン
はるびん

中国東北地区、黒竜江(こくりゅうこう)省南西部にある副省級市(省と同程度の自主権を与えられた地級市)で、同省の省都。略称は哈(は)。日本ではハルピンともよぶ。松花江(しょうかこう)中流の広大な沖積平野と洪積台地上に位置する。阿城(あじょう)、双城(そうじょう)、呼蘭(こらん)など9市轄区、方正(ほうせい)、通河(つうか)、依蘭(いらん)など7県を管轄し、尚志(しょうし)など2県級市の管轄代行を行う(2017年時点)。人口993万5115、市轄区人口553万6116(2012)。市名の語源は女真(じょしん)語のアロチン(名誉)または満州語の「網干し場」の意といわれる。気候は1月の月平均気温が零下19.7℃、7月は22.5℃、年降水量は526.6ミリメートルで夏に集中する。新潟市、旭川市と姉妹都市提携を結んでいる。[浅井辰郎・編集部]

歴史

19世紀末までは小漁村にすぎなかったが、1896年ロシアは三国干渉の報酬として東清(とうしん)鉄道(いまの浜洲(ひんしゅう)線、浜綏(ひんすい)線)の敷設権を清から獲得し、1903年にはこれと南部支線(いまの京哈(けいは)線、瀋大(しんたい)線)を完成させて東北地区の経営に乗り出した。ハルビンには当初50平方キロメートル、ついで140平方キロメートルの鉄道付属地を買収して市街地とした。ロシア革命後、東清鉄道をはじめとする利権はソ連が受け継いだが、1932年(昭和7)に「満州国」が建国されるとその管轄下に入り、1945年の解放を迎えている。[浅井辰郎・編集部]

産業・交通

周辺の農村では大豆、小麦、トウモロコシ、アワ、テンサイ、アマなどを豊かに産し、市内ではこれらの輸送や加工が盛んに行われる。鉄道も前記のほか、哈斉(はせい)旅客専用線(ハルビン―チチハル)、哈牡(はぼ)旅客専用線(ハルビン―牡丹江(ぼたんこう))などの高速鉄道が通じ、2013年には地下鉄も開業した。市街近郊にはハルビン太平国際空港があるほか、自動車道も集中し、交通の要衝となっている。鉱産物、林産物も各地から多種集まって、重・軽工業の発達は目覚ましく、鉄鋼、発電機、ボイラー、タービン、機関車、工作機械、化学薬品、航空機、自動車、ビールなどの工場が林立する。市内には三つの経済技術開発区があり、国内外の企業を誘致している。また、前述の産業を支える工業、農業、林業、医学の大学や専門学校、省の社会科学院や図書館、博物館も整っている。
 特産品には漢方薬の五加参(ごかさん)、チョウセンニンジンがあり、角(つの)や玉(ぎょく)の彫刻、白丁香(はくちょうこう)の茶筒も知られている。[浅井辰郎・編集部]

文化・観光

19世紀末から20世紀初頭にかけてロシアの支配下にあったことから、市内には聖ソフィア大聖堂や生神女庇護聖堂(しょうしんじょひごせいどう)など、東方正教会の聖堂が多数残され、「東洋のモスクワ」とも称される。松花江南岸にはスターリン公園がある。
 松花江では、寒中水泳が冬の風物詩となっているほか、スケートなどのスポーツが盛ん。太陽島公園、兆麟(ちょうりん)公園などでは、毎年1月上旬から2月末ごろまで、氷の彫刻を展示するハルビン氷祭りが開催される。[周 俊]

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