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バイオミメティックス biomimetics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バイオミメティックス
biomimetics

生体模倣技術と訳される。生体の機能をまねて,利用しようという技術。人間の機能が模倣される場合が多い。広義には,人間の開発してきた技術の多くがこれにあたるが,今日では,先端技術を応用する分野に限定して使われる。生体機能の解析が出発点になるが,実際の技術で基本となるのは,材料の開発である。これまでに人工骨人工歯根人工血液人工皮膚など各種の材料が開発され,さらに組織や器官の膜をまねた人工生体膜,高分子吸水ゲルを使った人工筋肉も開発されている。このほか,生物の機能を力学的にまねるバイオメカニクスや,情報機能をまねるバイオエレクトロニクスのような分野もある。人工知能は,人間の知的機能の模倣技術といえる。

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大辞林 第三版の解説

バイオミメティックス【biomimetics】

生物体、特にヒトのもつさまざまな優れた機能を模倣し、人工的に再現する技術。人工臓器やバイオセンサー・ニューロコンピューターなど。生体模倣技術。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バイオミメティックス
ばいおみめてぃっくす
biomimetics

生物のもつ優れた機能を人工的に再現する科学技術。「生物(生体)模倣技術」と訳され、有力な未来技術と考えられている。生存競争のなかで生物が獲得してきた巧妙な仕組みを、工学的に応用する試みを意味する。とくに分子レベルで人工的に生物機能を設計して、合成する技術をさす場合もある。生物学、医学、薬学、工学などの境界領域の学問であり、異なった分野の研究者の協力が欠かせないとされている。
 レオナルド・ダ・ビンチが鳥の飛ぶようすから飛行の概念を発想したとされるように、生物のもつ特性を工学的に応用する試みは古くから続けられてきた。
 1950年代後半には、分子レベルで生体機能を模倣する概念がアメリカで提唱され、研究が活発になった。1987年には、アメリカの化学者ペダーセン、クラムとフランスの化学者レーンの3人が生体機能を模した環状高分子化合物の研究に貢献したとして、ノーベル化学賞を授与された。バイオミメティックスの実用化の例として古くはカイコの吐き出す絹糸を模した人工繊維ナイロンの開発や、サメの皮膚構造をまねた競泳用水着の開発などが知られている。最近では人工酵素、人工臓器、医療用材料などに実用化例がある。植物の光合成を再現する人工光合成、味細胞の働きを模倣した味覚センサーなどのセンサー開発、分子を使って演算するバイオコンピュータなどの研究も進んでいる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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