バソリス(読み)ばそりす(その他表記)batholith

翻訳|batholith

最新 地学事典 「バソリス」の解説

バソリス

batholith

露出面積が100km2以上の大規模な花崗岩体を指す。底盤とも。露出面積の小さいものはストックと称するが,バソリスとの境は便宜的である。E.Suess(1888)命名。日本では領家帯の伊奈川・柳生花崗岩,飛驒帯の船津花崗岩,山陽帯の広島花崗岩,山陰帯の鳥取花崗岩など。まわりの岩石の構造に調和的なものと(調和型岩体),それらを切る非調和的なものがある(非調和あるいは不調和岩体)。頂部にはルーフペンダントを有し,また枝分れした小ドーム状岩体を伴う。生成の深さもエピ帯・メソ帯・カタ帯にわたる。通常,下方に向かって大きくなり,接触部は外側に傾斜して底がみられないために底なし岩体を意味していたが,最近は野外での調査や重力測定,モデル実験などからそれほど深くまで続いていないらしいこと,またその形も扁平な板状もしくはしずく状であることが明らかとなってきた(例えばボールダー・バソリスは火山岩ルーフをもつ溶岩湖とみなされている)。バソリスは単一の花崗岩体からできていることはまれで,多くの場合,貫入時期の違ういくつかの花崗岩体が組み合わさっている。このようなものを複成底盤と称する。閃緑岩や斑れい岩を伴うことが多い。阿武隈山地の花崗岩体がそのよい例である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バソリス」の意味・わかりやすい解説

バソリス
ばそりす
batholith

地表面積100平方キロメートル以上の比較的大きな岩体。底盤ともいう。縦200キロメートル、横80キロメートルの巨大なものも知られている。底部の形はよくわかっていない。中粒ないし粗粒の花崗(かこう)岩、花崗閃緑(かこうせんりょく)岩、石英閃緑岩が多い。大きな岩体では周辺の堆積(たいせき)岩に移化する場合、内部に堆積岩状の組織が残っていたり、変成岩に類似していたりすることもあって、火成作用のほか、変成作用交代作用および岩体の再溶融などの成因が推定されるものもある。

[矢島敏彦]


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百科事典マイペディア 「バソリス」の意味・わかりやすい解説

バソリス

底盤とも。大規模な花コウ岩貫入岩体。表面積100km2以上のものをバソリスと呼び,それより小さいものを岩株(不規則形),ボス(円形)と区別することもある。後者はバソリスからの枝分れの場合が多い。これらは,造山帯の中軸部を占めるものがふつうで,褶曲(しゅうきょく)運動と花コウ岩貫入の時間関係により地層に対し調和的なものと非調和的なものがある。前者は一般に同時,後者は褶曲よりあとの場合が多い。→花コウ岩化作用貫入岩体
→関連項目深成岩

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改訂新版 世界大百科事典 「バソリス」の意味・わかりやすい解説

バソリス
batholith

深成火成岩の産状の一つ。露出面積が約100km2以上の岩体をいう。一般には広義の花コウ岩類がこのような大岩体を形成する。地下に広く潜在する花コウ岩体の一部が地表に露出してバソリスを構成するものと考えられている。バソリス規模の花コウ岩質岩体は,多時期・多起源の複合岩体であることが多い。バソリスは環太平洋地域で代表される大洋収れん型の造山帯や衝突型の造山帯におもに産出する。
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世界大百科事典(旧版)内のバソリスの言及

【深成作用】より

…たとえば北アメリカのシエラ・ネバダ山脈には,幅100km,延長数百kmという大規模な岩体がある。そのような岩体は,かつては,地下深部へ根をはった底なしの岩体であると考えられ,バソリスと呼ばれた。しかし,調査・研究が進むにつれ,バソリスにはいくつもの貫入時期の異なる岩体の複合したものもあることがわかってきた。…

※「バソリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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