バニリン(英語表記)vanillin

翻訳|vanillin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バニリン
vanillin

化学式 C8H8O3ワニリンともいう。バニラ果のアルコール抽出物から得られたのでこの名がある。芳香をもつ白色針状晶。融点 81~82℃。バニラ果,安息香ちょうじ油などに含まれているが,大量に用いられるので工業的に合成される。オイゲノールを異性化後に酸化する方法,サフロールを出発原料とする合成法などが実施され,また針葉樹パルプ廃液中のリグニンから製造する方法も行われている。

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百科事典マイペディアの解説

バニリン

バニラ,安息香,ペルーバルサムなどに含まれる芳香族アルデヒドC8H8O3。工業的にはグアヤコール,オイゲノール,サフロール,リグニンなどから合成する。特有の甘い芳香のある微黄白色針状結晶。融点83〜84℃。食品香料としてアイスクリーム,チョコレート,ケーキをはじめリキュール,タバコなどに添加され,また保留剤,調和剤,変調剤として用いられる。バニリン分子内の−OCH3基の代りに−OC2H5基が入ったものが合成され,これをエチルバニリン,またはブルボナールという。バニリンに比べ着色しないので,着色をきらう製品に広く用いられている。(図)
→関連項目香料丁子油バニラ

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世界大百科事典 第2版の解説

バニリン【vanillin】

つる性の熱帯植物バニラの蒴果(さくか)が発酵すると得られる芳香物質。これは発酵により組織内の配糖体が酵素で分解されて生じたものであり,特有の甘い香気をもつためバニラフレーバーとしての用途がきわめて広く,とくにバター,チョコレート,アイスクリームをはじめ各種の食品香料として大量に使用されている。バルサム,安息香,丁子油などの精油にも少量含まれる。バニリンは芳香族アルデヒド(4‐オキシ‐3‐メトキシベンズアルデヒド)で,比重1.06(液体),沸点284℃,融点83~84℃の白色ないし淡黄色の針状結晶。

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大辞林 第三版の解説

バニリン【vanillin】

バニラの果実から得られる芳香のある無色針状結晶。化学式 C8H8O3 工業的にはリグニンの分解などによって作られる。菓子や食品の香料として用いる。ワニリン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バニリン
ばにりん
vanillin

芳香族アルデヒドの一つで、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒドの別名。メキシコ原産のラン科植物バニラ豆(バニラビーンズ)、安息香、ちょうじ油(丁字油)などに含まれて天然に存在する。メキシコの先住民はバニラ豆の香気を知っていて、これをたばこに詰めたり飲み物として用いたりしていたが、バニラ豆をヨーロッパにもたらしたのはコロンブスである。1857年にゴブリーNicolas-Theodore Gobley(1811―1876)はバニラ豆からこの化合物の結晶を取り出し、1858年にバニリンと命名。バニラ豆に含まれているコニフェリンが発酵により分解してバニリンになり、豆の表面に結晶として析出する。コニフェリンはモミなどの針葉樹にも含まれているので、バニリンの原料として用いられた。現在では、アメリカおよびカナダ産の安価なリグニンを利用して、リグニンスルホン酸を酸化する方法により生産されるバニリンが世界市場の大半を占める。チョコレートに似た甘い芳香をもつ白色結晶。水には溶けにくいが、エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒にはよく溶ける。食品香料としての用途は広く、アイスクリーム(バニラ)などの乳製品、ココアなどに用いられるほか、たばこのフレーバーや香水としても用いられている。[廣田 穰]

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精選版 日本国語大辞典の解説

バニリン

〘名〙 (vanillin) 甘い香気のある白色ないし黄白色の針状結晶。分子式 C8H8O3 バニラ豆のもつ香気成分の一つで、香料、特に食品香料として用いる。
※児童物理化学物語(1928)〈高橋・厚木・友田〉応用化学「香料バニラの匂(にほひ)のするバニリン」

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世界大百科事典内のバニリンの言及

【オイゲノール】より

…収量は10~20%。バニリンの重要な製造原料であり,これを苛性アルカリと加熱し,二重結合を転位させてイソオイゲノールとし,さらにオゾンまたはクロム酸で酸化してバニリンとする。カーネーション系香料などに用いられる。…

※「バニリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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