アメリカの実業家で,近代的組織論の始祖。マサチューセッツ州モールデンに生まれ,ハーバード大学を3年で中退した後,アメリカ電話電信会社(ATT)に入社し,41歳で同社傘下のニュージャージー州ベル電話会社の初代社長となった。1938年,みずからの社長としての経験と思想を,その主著《経営者の役割》に体系化した。当時ハーバード大学の教授であったL.J.ヘンダーソンの影響を受けた彼は,〈人間が個人として達成できないことを,他の人々との協働によって達成しようとしたときに組織が生まれる〉と考え,〈協働システム〉をキー概念として,システム論にもとづいた組織と管理の一般理論を展開した。彼の研究成果はのちにH.A.サイモンに受け継がれ,バーナード=サイモン理論として近代組織論に大きな影響を与えた。
執筆者:野中 郁次郎
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…両公国は隣接し互いに多くの社会的共通性をもちながらも,ミハイ勇敢公が1600年にごく短期間統一した時期を除けば,19世紀中葉まで別個の国家をなしていた。もっとも中世以来ワラキアとモルドバ,それにトランシルバニア,バナトなどの諸地方に住むルーマニア人は,同一の言語を話す同族意識をもちつづけ,中世の年代記にもそのような記述がある。 ところが18世紀後半,まずトランシルバニアのルーマニア人の間に民族運動が起きると,そのような同族意識は一つの政治理念にまで高められることになった。…
…しかし,60年代には,これに対する批判から,効率的な管理方式はその組織のおかれた状況によって異なるという条件適応理論contingency theoryが生まれ,アメリカ経営学の主流となった。この流れとは別に,C.I.バーナードの《経営者の役割》(1937)を祖とする近代組織理論modern organization theoryが,H.A.サイモンらに引き継がれて発達していた。それは,企業のなかで働く人々の大部分がホワイトカラーや専門職になってきたという現実の動きを反映して,組織を構成する人々を意思決定者として認識して,組織の動きを解明しようとする理論であり,今日の経営学の基礎概念を提供するものであった。…
…公式組織(フォーマル・オーガニゼーション)とは,一定の目的を達成するために意識的,人為的に形成された組織のことであり,C.I.バーナードは〈意識的に調整された人間の活動や諸力の体系〉と定義している。通常,〈組織〉といえば,これを指していう。…
※「バーナード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...