パス
〘名〙 (pass)
① (━する) 通過すること。通りすぎること。
② (━する)
試験や
審査などに
合格すること。〔外来語辞典(1914)〕
※学生時代(1918)〈
久米正雄〉受験生の
手記「兄弟揃ってパスすれあ、ほんとに
一門の光栄だね」
③ 特定の
場所や
乗物などに、入場、乗車する時、いちいち金を払わなくても、それを示すことによって
改札を通ることのできる券。無料入場券、優待乗車証、定期券など。
※夏目漱石日記‐明治四二年(1909)九月九日「パスを貰ふ」
⑤ (━する)
トランプなどで、自分の番をとばして次へ回すこと。
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デジタル大辞泉
「パス」の意味・読み・例文・類語
パス(pass)
[名](スル)
1 通過すること。特に、試験や審査などに合格すること。「試験にパスする」
2 通行許可証。出入国許可証や無料入場券・乗車券など。「顔パス」
3 サッカー・バスケットボールなどの球技で、ボールを味方に渡すこと。送球。「前衛にパスする」「チェストパス」
4 トランプ遊びで、自分の番を飛ばして次へ回すこと。転じて、一般に、自分の順番を回避すること。
5 フェンシングで、突きのこと。
[類語](1)合格・及第・受かる
パス(path)
コンピューターの記憶装置における、ファイルやフォルダの所在を表す文字列。
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パス
Paz, Octavio
[生]1914.3.31. メキシコシティー
[没]1998.4.19. メキシコシティー
メキシコの詩人,評論家,外交官。少年時代から詩作,1930年代には前衛的な『タリエル』誌に拠る詩人たちの中心的存在となった。アメリカ留学後,外交官として世界各地に勤務,特にパリではブルトン,B.ペレらのシュルレアリストと親交をもった。詩集には『激しい季節』 La estación violenta (1958) ,『世界の岸辺で』A la orilla del mundo (42) ,『言葉のかげの自由』 Libertad bajo palabra (49) ,『火の精』 Salamandra (62) ,『東斜面』 Ladera este (69) ,『帰還』 Vuelta (76) があり,1963年ベルギーの国際詩大賞,82年セルバンテス賞,90年ノーベル文学賞を受賞。ほかに古典的なメキシコ文化論『孤独の迷路』 El laberinto de la soledad (50) をはじめ,詩論『弓と竪琴』 El arco y la lira (56) ,『木に倚 (よ) りて魚を求む』 Las peras del olmo (57) ,『四学』 Cuadrivio (65) ,『回転する記号』 Los signos en rotación (65) ,『大いなる文法学者の猿』 El mono gramático (74) など,多数の評論がある。
パス
calipers
工作物や製品の寸法を他に移し換えたり,ものさしやゲージと比較するときに用いる工具。自由に開きが変えられる2本の腕から成り,軸の外径や厚さ等の物体の外側寸法をはかる外パスと穴の内径や溝幅等の内側寸法をはかる内パスとがある。使用方法としてはパスの両先端が軽く測定部分に当たるまで開き,その後は動かないようにそのままの状態で取出す必要がある。したがって,精度が必要な場合には熟練を要するが,熟練者で 0.01~0.05mm程度,一般的には 0.1~0.2mm前後の精度が期待できる。あまり高い寸法精度が要求されない場合や,機械加工中での寸法の目安とする場合によく用いられている。パスの開きをてこ式に拡大し,直接目盛りを読むことができる目盛りつきパスもある。
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パス【path】
コンピューターの記憶装置における、ファイルやフォルダーの所在を表す住所に相当する文字列。記憶装置内のファイルやフォルダーは、ひとつのフォルダーの中にファイルやフォルダーがまとめられ、まとめられた各フォルダーの中にもファイルやフォルダーがまとめられ…といったように、階層が深くなるほど枝分かれする入れ子状の階層構造をなしており、その所在は上位の階層からドライブ名・フォルダー名・ファイル名などを「/」や「\」で区切った文字列で指定する。◇最上位の階層から目的とするファイルやフォルダーのある階層までの道筋をすべて記述して所在を指定したものを「絶対パス」といい、起点となる現在位置からの道筋を記述して所在を指定したものを「相対パス」という。
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パス
メキシコの詩人,批評家,外交官。ラテン・アメリカのみならず,世界の現代詩を代表する存在。長く外交官を務め,日本やインドにも赴任したが,1968年の政府による学生虐殺に抗議して職を辞した。シュルレアリスムの影響のもと人間の根源的な孤独をうたった詩集《言葉のかげの自由》や《東斜面》などが代表作であるが,批評家としても卓越しており,メキシコ文化論の《孤独の迷宮》,詩論《弓と竪琴》に見られる論理は圧倒的である。1981年セルバンテス賞,そして1990年ノーベル文学賞受賞。
→関連項目ペソア|レイエス
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パス【Octavio Paz】
1914‐98
メキシコの詩人,批評家。ビセンテ・ウイドブロ,C.バリェホ,P.ネルーダの後を継いでラテン・アメリカ現代詩を代表する存在。17歳で詩誌の同人に加わり,《野生の月》(1933)で才能を認められる。1937年にスペインで開催された〈反ファシスト作家会議〉に参加すると同時に,《人間の根》を発表。その後はアメリカ,フランスの各地を転々とした。フランスではB.ペレを介してシュルレアリストたちと親交を結び,大きな影響を受けたが,まもなく外交官生活に入り(1946‐68),インドや日本に駐在してタントラ仏教や連歌の世界を知った。
パス【PAS】
抗結核薬の一つで,パラアミノサリチル酸p‐aminosalicylic acidの略称。1943年,スウェーデンのレーマンOrla Lehmannによって,結核菌に対して抗菌作用をもつことが発見された。パスは低濃度では多くの細菌に対しては有効性をもたないが,結核菌に対してのみ強力に作用するという特徴を有し,肺結核,喉頭結核,腸結核に対して有効である。副作用としては嘔吐,悪心などの胃腸症状があるが,日本で開発されたカルシウム塩(パラアミノサリチル酸カルシウム)は胃腸症状は少ない。
パス【caliper】
工作物の外径や内径などを測定する測定作業具。図に示すような形状の外パスと内パスがある。2本の脚の開きは調節でき,その先端は細く丸められている。外パスが自重で工作物を通過するように脚の開きを調整し,その開きの寸法を金属製直尺で求め,工作物の外径を知る。内パスの場合は,工作物の穴に入れ,半径方向に対しては最大位置を求め,次に軸方向に対しては矢印のようにパスを動かして最小位置を求める。パスの開きは外パスと同様,直尺で求める。
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パス
Octavio Paz
1914~98
現代メキシコの代表的詩人。パリでシュールレアリスムの洗礼を受けたが,たえずメキシコの現実を詩的に表現する新しい道を模索し,20年間にわたる外交官生活の間に,仏教や日本の詩歌の世界も知って視野を広め,1960年以後次々と優れた詩集を発表した。評論でも,メキシコ人のアイデンティティ探求の古典として知られる『孤独の迷路』(1950年)をはじめ,『弓と竪琴(たてごと)』(56年),『ファナ・イネス・デ・ラ・クルス修道女』(82年)など重要な作品が多い。セルバンテス賞(81年),ノーベル文学賞(90年)を受賞。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
パス
ファイルのある場所までの経路を示すための文字列で、ファイルの住所のようなもの。サーチパスともいう。「C:¥User¥Documents¥ファイル名」のように、ドライブやフォルダー、ファイル名を「¥」や「/」で区切り、上の階層から順に記述する。ファイルを1つのフォルダーにまとめて置いておけば、コンピューターはその場所を探すだけで目的のファイルを見つけられるが、ファイルの種類が増えてくると目的別にフォルダーを作って分類したほうが扱いやすい。そこで、フォルダーの階層が深くなっても、コンピューターが目的のファイルやフォルダーをすばやく見つけられるようにパスを指定する。
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
パス
ファイルがどのフォルダーにあるのかを示したものです。ドライブ名、フォルダー名、ファイル名を「¥」という記号で区切って表します。例えば、「c:¥集計表¥5月分.xls」なら、Cドライブの「集計表」というフォルダーの中にある「5月分.xls」というファイルのことを示します。複数のフォルダーに同じ名前のファイルがあっても、パスによって特定できるのです。
⇨ドライブ、ファイル、フォルダー
出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本」パソコンで困ったときに開く本について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
パス
チャネルとほぼ同義語。リーフの間に開いた水路を意味する。
出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報
世界大百科事典内のパスの言及
【肺結核】より
…また95年のレントゲンのX線発見は,肺結核の臨床診断に画期的進歩をもたらした。さらに1908年,パスツール研究所のA.カルメットとC.ゲランは,病原性なしに人体に結核免疫を人工的に与えることのできるBCGの発見に成功し,21年フランスのアレAdrien Hallé(1859‐1947)はBCGワクチンを新生児に初めて結核発病予防の目的で接種した。このBCGは25年志賀潔によって日本にもたらされ,昭和の初めから今村荒男を中心とする研究が始まった。…
※「パス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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