パノフスキー

精選版 日本国語大辞典 「パノフスキー」の意味・読み・例文・類語

パノフスキー

(Erwin Panofsky エルウィン━) ドイツの美術史学者。ハンブルク大学教授を経て、アメリカ移住中世ルネサンス美術研究を中心イコノロジー方法確立、第二次大戦後の美術史学に大きな影響を与えた。(一八九二‐一九六八

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デジタル大辞泉 「パノフスキー」の意味・読み・例文・類語

パノフスキー(Erwin Panofsky)

[1892~1968]ドイツ生まれの美術史家。ナチス政権成立後は米国活躍イコノロジー図像解釈学)の方法を確立した。著「イコノロジー研究」など。

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百科事典マイペディア 「パノフスキー」の意味・わかりやすい解説

パノフスキー

ドイツ出身,米国のユダヤ系美術史家。ハノーファー生れ。ベルリンミュンヘンなどに学び,ハンブルク,ミュンヘン,ニューヨークの各大学で教えた。ハンブルク時代にA.ワールブルクと出会い,その文庫の活動に協力してワールブルク学派の形成に寄与した。弟子にE.ウィントがいる。1935年プリンストン高等研究所に迎えられ,以後ここで多彩な研究活動を展開した。イコノロジーの方法論を確立,中世,ルネサンスにおける図像解釈に多大の業績を残した。主著に《イコノロジー研究》(1939年),《アルブレヒト・デューラー》(1943年),《初期ネーデルラント絵画》(1953年)などがある。
→関連項目ウィントゴシック美術ザクスルパンドラ

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改訂新版 世界大百科事典 「パノフスキー」の意味・わかりやすい解説

パノフスキー
Erwin Panofsky
生没年:1892-1968

ドイツの美術史家。ハノーファー生れ。1926-33年ハンブルク大学教授。この間ワールブルク研究所の創始者A.ワールブルクらと接する。ユダヤ系のゆえにナチスに追放され33年渡米し,35年よりプリンストン高等研究所教授をつとめた。とくに〈アイコノロジーiconology(イコノロジー)〉(図像学)の創始者として知られるが(《イコノロジー研究》1939),《デューラーの美術理論》(1915),《デューラー》(1943),《初期ネーデルラント絵画》(1953),《サン・ドニ修道院長シュジェール》(1946)等に見られる該博知見と精緻な考証は,彼が単なる理論的思索家ではなく抜群の史眼を備えた美術史家であり,安易な着想や過剰解釈に陥りがちな亜流の図像解釈学者とは截然たる一線を画していたことを証する。随筆家としても一家をなしユーモアをもってきこえ,妻ドラDoraとの共著《パンドラの箱》(1956)等がある。ドイツ美術史学の伝統をアメリカに移植し,これを着実に育成した功績は大きい。プリンストンで没。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パノフスキー」の意味・わかりやすい解説

パノフスキー
Panofsky, Erwin

[生]1892.3.30. ハノーバー
[没]1968.3.14. プリンストン
ドイツ生れのアメリカの美術史学者。 1921年ハンブルク大学講師,26年同大学教授,31年ニューヨーク大学客員教授,33年ナチスに追われてアメリカに亡命,35~62年プリンストン大学高等研究所教授。最初は様式の研究から出発したが,のちイコノグラフィー (図像学) iconographyに対してイコノロジー (図像解釈学) iconologyを提唱し,その方法論を確立。主著『イコノロジー研究』 Studies in Iconology (1939) ,『視覚芸術の意味』 Meaning in the Visual Arts (55) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パノフスキー」の意味・わかりやすい解説

パノフスキー
ぱのふすきー
Erwin Panofsky
(1892―1968)

ドイツ生まれの美術史学者。ベルリン、ミュンヘン、フライブルクなどの大学で学び、ハンブルク大学教授になったが、1934年ナチスの時代にアメリカに移住。ニューヨーク大学、プリンストン大学、ハーバード大学などで教授を務めた。おもに中世およびルネサンスの美術を扱って古典的主題の表現について研究し、美術作品における主題と意味の関連を、イコノグラフィー(図像学)からイコノロジー(図像解釈学)へと高める方法論を確立した。著書は多くあるが、邦訳されているおもなものに『イコノロジー研究』(1939)、『視覚芸術の意味』(1957)、『ルネサンスの春』(1960)などがある。

[鹿島 享]

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世界大百科事典(旧版)内のパノフスキーの言及

【ザクセン】より

…州都はドレスデン。
[ニーダーザクセン]
 ドイツの一州(ラント)を構成するニーダーザクセンは,第2次世界大戦後の1946年,旧プロビンツ・ハノーファーProvinz Hannoverを中心として四つのラントが合わさって作られた新しいラントである。この地域は,オストフリースラント部分を除いて,すべて,かつてのザクセン部族定住領域に属し,ラントの名称もそれに由来する。…

※「パノフスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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