パンフレット
pamphlet
一般には宣伝,啓蒙のための小冊子のこと。 16世紀,宗教改革の時代にはイギリス,フランス,ドイツで盛んに出版され,ルターはそれを最も効果的に用いた。エリザベス朝のイギリスでは物語や自伝,社会批評などを盛ったパンフレット文学が生れた。 18世紀に市民社会が最も早く成立したイギリスで,特に政党や政治団体によって大衆を説得するための政治パンフレットが盛んにつくられ,トマス・ペインの『コモン・センス』 (1776) は絶大な影響力をもった。またフランスではルソー,ボルテール,モンテスキューらの啓蒙思想家がパンフレットを多作した。現代ではパンフレットは論争より情報のために出されるようになった。
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パンフレット(pamphlet)
案内・説明・広告などを記載した仮とじの小冊子。パンフ。
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パンフレット【pamphlet】
出版物の一形態で,内容上は書籍と同じであるが,ページ数が少なく,簡単な製本でできている小出版物。多くは仮綴じ。パンフと略称され,小冊子ともいわれる。書籍との区別は画定し難く,一般に6ページ未満のもの(デンマーク),49ページ未満(カナダ,フィンランド,ノルウェー),100ページ未満(イタリア,日本)などと国によっても漠然と異なっていた。このため,ユネスコでは1964年第13回総会で,《図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際的な標準化に関する勧告》を採択した。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 三省堂大辞林 第三版について 情報
パンフレット
ぱんふれっと
pamphlet
冊子形式の一色もしくは多色使用の商業印刷物。製本は仮綴(かりと)じ、ページは数ページから数十ページのものにわたる。規格としては、A5、A6、B5の各判が多いが、B4判、A4判の大きなものや変型のものもある。ほぼ同様な意味で使われるブックレットbookletとは、表紙をつけ、見返しや扉を配して本格的に製本し、本に近い体裁にしたものをいう。パンフレットの語源には定説がなく、定義としては、その初期には大衆教化の宗教宣伝物を主としていたものが、一般の読み物に発展してきたように、「てっとり早く、より多くの、より広い範囲の相手に伝える印刷物」といえる。新聞、雑誌も最初はパンフレットで、のちにそれが内容、体裁の両面で分化し、それぞれがジャーナリズムの機能を発揮するようになった。今日では商業的な広報印刷物として主要な地位を占めているが、政治性を帯びた宣伝物としていまなお利用されている。パンフレットの最初は1601年、当時イギリス最大の商業組合であった冒険貿易商会のつくった『商業論』といわれる。日本では1786年(天明6)に黄表紙の創始者恋川春町(はるまち)が書いた『三舛増鱗祖(みますますうろこのはじめ)』という宣伝のために顧客に配った景物(けいぶつ)本が最初である。[島守光雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
パンフレット
分量が数ページから数十ページと少なく,きわめて簡易な方法でとじてある冊子体の印刷資料.折った紙をとじないで重ねただけで冊子体にしたものもある.内容は,商品のカタログ,催し物のプログラム,機械のマニュアル,施設や設備の利用案内,政治的主張の解説など多様であるが,いずれも限定した情報,知識を一時的に提供する目的で作成される点に特徴がある.その特徴から,簡易資料,短命資料(ephemeral),ファイル資料に分類されることがある.配布は,一般の出版流通経路ではなく,特定の集団への郵送,物品への添付,特定の場所での手渡しや放置(「自由にお取り下さい」方式)などによるため,そのほとんどが灰色文献とみなせる.ユネスコでは統計作業のため,“表紙を除き5ページ以上48ページ以下の印刷された非定期刊行物”と定義し,パンフレットをリーフレット,図書,逐次刊行物などから区別している.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典について 情報
世界大百科事典内のパンフレットの言及
【プログラム】より
…今日のような,楽曲解説等が書きこまれるようになったのは19世紀半ば以降のことである。印刷物の形態としても,一枚の紙,あるいは二つ折り4ページに印刷されたものから,しだいに小冊子(すなわちパンフレット。略して〈パンフ〉とも)の形式が普通となり,今日にいたっている。…
※「パンフレット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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