かた【片】
① 名詞の上に付いて、
一対のものの
一方、一組になっているものの
一部の意を表わす。「
片恋」「
片手」「片われ」
② 名詞の上に付いて、不完全な、整っていない、
少しの、などの意を表わす。「
片山」「
片岡」「
片時」「
片生(かたおい)」
③ 名詞の上に付いて、一方に偏した、かたよった、の意を表わす。「
片田舎」「
片淵」
④ 主として動詞の上に付いて、しきりに、ひたすら、の意を表わす。「
片待つ」
※
書紀(720)仁徳二二年正月・
歌謡「
朝妻(あさづま)の 避介
(ひか)の
小坂を 介多
(カタ)泣きに 道行く者も 偶
(たぐ)ひてぞ良き」
かた・す【片】
〘他サ五(四)〙
① 他の
場所へ移し変えたり、散らかったものを一つ所にまとめたりしてきれいにする。かたづける。
※歌舞伎・三千世界商往来(1772)四幕「毀
(こは)れかかったやうな内に結構な
着物を着て、とんと
雪隠で雛祭りするやうな。そこを思へば片すか」
へん【片】
〘接尾〙 (「ぺん」とも) 物の切れはし、かけら、花びらなどを数えるのに用いる。
※忠義水滸伝解(1755)二五回「片白絹 一片ノ白絹也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「片」の意味・読み・例文・類語
かた【片】
[名]一対のもの、二つで一組のものの一方。片方。片一方。「片や横綱、片や平幕の対戦」
[語素]名詞または動詞の上に付いて、複合語をつくる。
1 一対となるものの一方、一方だけ、の意を表す。「片親」「片面」「片思い」
2 不完全な、整っていない、の意を表す。「片言」「片仮名」
3 かたよる、一方に偏した、の意を表す。「片田舎」「片意地」
4 わずかな、少ない、の意を表す。「片時」「片手間」
5 しきりに、ひたすら、の意を表す。
「鶯は今は鳴かむと―待てば霞たなびき月は経につつ」〈万・四〇三〇〉
ひら【▽片/▽枚】
《「平」と同語源》
[名]紙・葉・花弁など、薄くて平らなもの。
「白き赤きなど掲焉なる―は」〈源・梅枝〉
[接尾]助数詞。薄くて平らなものを数えるのに用いる。「一―のバラの花弁」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例