デジタル大辞泉
「片」の意味・読み・例文・類語
かた【片】
[名]一対のもの、二つで一組のものの一方。片方。片一方。「片や横綱、片や平幕の対戦」
[語素]名詞または動詞の上に付いて、複合語をつくる。
1 一対となるものの一方、一方だけ、の意を表す。「片親」「片面」「片思い」
2 不完全な、整っていない、の意を表す。「片言」「片仮名」
3 かたよる、一方に偏した、の意を表す。「片田舎」「片意地」
4 わずかな、少ない、の意を表す。「片時」「片手間」
5 しきりに、ひたすら、の意を表す。
「鶯は今は鳴かむと―待てば霞たなびき月は経につつ」〈万・四〇三〇〉
ひら【▽片/▽枚】
《「平」と同語源》
[名]紙・葉・花弁など、薄くて平らなもの。
「白き赤きなど掲焉なる―は」〈源・梅枝〉
[接尾]助数詞。薄くて平らなものを数えるのに用いる。「一―のバラの花弁」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かた【片】
- 〘 造語要素 〙 名詞や動詞の上に付いて、片方の、かたよった、などの意を表わす。
- ① 名詞の上に付いて、一対のものの一方、一組になっているものの一部の意を表わす。「片恋」「片手」「片われ」
- ② 名詞の上に付いて、不完全な、整っていない、少しの、などの意を表わす。「片山」「片岡」「片時」「片生(かたおい)」
- ③ 名詞の上に付いて、一方に偏した、かたよった、の意を表わす。「片田舎」「片淵」
- ④ 主として動詞の上に付いて、しきりに、ひたすら、の意を表わす。「片待つ」
- [初出の実例]「朝妻(あさづま)の 避介(ひか)の小坂を 介多(カタ)泣きに 道行く者も 偶(たぐ)ひてぞ良き」(出典:日本書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡)
びら【片・枚】
- 〘 名詞 〙
- ① 宣伝のための文章や絵などを書いて掲示したり、配布したりする紙片。本来、演劇や演芸の宣伝のために、湯屋や飲食店など人目の多いところに張り出したものをいった。びら紙。
- [初出の実例]「牌(ビラ)は風に翻て見物を招けば、人は壺屋の暖簾に似て涌くが如し」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)上)
- ② 江戸時代、演劇関係の名びろめなどの引出物や進物の目録を客へ送るために書いた紙片をいう。〔随筆・皇都午睡(1850)〕
- ③ 江戸の劇場で、観客席の配置図の呼称。〔戯場訓蒙図彙(1803)〕
片の補助注記
大正時代、社会運動の中で英語の bill と混淆し、外来語意識をもって用いられた。以来今日でも、和語・外来語の別の判然としない場合が多い。
ひら【片・枚】
- [ 1 ] ( 「ひら(平)」と同語源 ) 薄くて平らな形状を持つものをいう。紙、葉など。現代では「花びら」などと熟合して使われるほか、独立して用いられることは少ない。
- [初出の実例]「白き赤きなど掲焉(けちえん)なるひらは、筆取りなほし用意し給へるさまさへ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙 薄くて幅広く、平らな物を数えるのに用いる。
- [初出の実例]「羆(しくま)の皮七十枚(ななそヒラ)を献る」(出典:日本書紀(720)斉明四年是歳(北野本訓))
へん【片】
- 〘 接尾語 〙 ( 「ぺん」とも ) 物の切れはし、かけら、花びらなどを数えるのに用いる。
- [初出の実例]「片白絹 一片ノ白絹也」(出典:忠義水滸伝解(1755)二五回)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「片」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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