精選版 日本国語大辞典「片」の解説
かた【片】
〘語素〙 名詞や動詞の上に付いて、片方の、かたよった、などの意を表わす。
① 名詞の上に付いて、一対のものの一方、一組になっているものの一部の意を表わす。「片恋」「片手」「片われ」
② 名詞の上に付いて、不完全な、整っていない、少しの、などの意を表わす。「片山」「片岡」「片時」「片生(かたおい)」
③ 名詞の上に付いて、一方に偏した、かたよった、の意を表わす。「片田舎」「片淵」
④ 主として動詞の上に付いて、しきりに、ひたすら、の意を表わす。「片待つ」
※書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡「朝妻(あさづま)の 避介(ひか)の小坂を 介多(カタ)泣きに 道行く者も 偶(たぐ)ひてぞ良き」
かた・す【片】
〘他サ五(四)〙
① 他の場所へ移し変えたり、散らかったものを一つ所にまとめたりしてきれいにする。かたづける。
※歌舞伎・三千世界商往来(1772)四幕「毀(こは)れかかったやうな内に結構な着物を着て、とんと雪隠で雛祭りするやうな。そこを思へば片すか」
※助左衛門四代記(1963)〈有吉佐和子〉序「水仕事(たのもと)をして、文右衛門の食器を片(カタ)すのは」
② 植木を仮植えにする。〔俚言集覧(1797頃)〕
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